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めだかボックス 〜From despair to hope 〜
第13箱 「なんかよくわかんねーが、不幸(いいもの)もってんだな?」
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劉一がそう言うと……。

彼女の指が止まっていた。

どうやら、耳を傾けてはいたようだ。


「……どんなことがあっても……つらいことがあっても……どんな不幸からも… それでも、這い上がれる努力、どんな幸福な人生を送っていたって、それに満足せず、慢心せず、努力を積み重ねる事、 それがすべてに繋がるんじゃないかな?」

そして、その次には彼女は劉一の方を見た。

「てめーの言葉…… なんでだろうな?口だけじゃねぇ感じだ……。なんかわかんねぇが真に来る感じがる。不幸(いいもの)を持ってんだな…?」


彼女は初めて笑った。

……それと羨ましそうな目をして劉一を見ていた。

「………ふふ。そうだね? 確かに……僕も不幸を持ってる…よ。いや、≪持ってた≫かな?…救われたんだ。そこからね?……だから僕は生きていられるし、毎日は楽しいことでいっぱいだよ。禁欲(ストイック)な君にとっては要らない物って思うかもだけど。」

劉一はそう言って上を向いた。

「……んで?なんで私と話してんだ?それに、なんで私に構うんだ?お前は、自分の主張を聞いてもらえる奴がいないのか?」

救われたといってもまだ不幸(いいもの)もってる感じがするためか 笑いながら話していた。

「そんなこと無いさ、僕はめだかちゃんと遊んでいたんだけど、トイレに行ってたら帰りがわからなくなって、でココについたって感じだよ。君に話したのは唯のおせっかいさ。(僕……記憶力いいと思ってたけど……そうでもなかったんだね……。)」

劉一も笑いながら話した。


「妹と………?ああ んじゃ お前が劉一って奴か? 毎日のように(めだか)がいってた奴だな。」

「……何を言ってたかは、聞かないけど劉一であってるよ。よろしくね。君のはめだかちゃんのお姉さんなんだね。名前は?」

今度は苦笑しながら話していた。

(あの化け物じみた(めだか)の上に行く男だったな……。確か、ちょっとばかし興味が湧くな……。)

「??」

何やら劉一の方をじっくり見られている。


「……私はくじらだ。 お前がおせっかいなのはわかったが、んで?そのついでに、私を説得でもしよーってか?生憎幸せになるくらいなら死んだ方がマシって考えだからな、それは無駄だぜ! 」

劉一にそう言い、手を振った。

「……いいや、説得するつもりなんて無いよ。生き方なんて、他人に言われて、簡単に変えるのって難しいと思うしね。」

劉一は否定した。

「そうか、なら良かった。」

くじらはそう言って再び机に向いた。

「でもね……。…死んじゃあだめだよ。それこそ何も生まないし何も残らない…… 残るのは残された者に残る悲しみだけ…なんだよ。この世には生きたか
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