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めだかボックス 〜From despair to hope 〜
第13箱 「なんかよくわかんねーが、不幸(いいもの)もってんだな?」
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「あッ!危ない!!」



咄嗟に劉一は彼女を押し倒し庇う。






“ドガアッッ!!バサバサバサ………”





降ってきた物、それは重量感がたっぷりとある百貨辞典のような本数冊だった。

とりあえず本棚そのものが倒れてこない事には喜んでおこう。


「あたた…… だ…… だいじょーぶ……?」


劉一は、緊急事態とはいっても女のコを押し倒している事には変わらないから、

ちょっと悪そうに言った。


「!!誰だ?お前……?」


女のコは驚きながらこっちを見た。

「……あ!ゴメンね?押し倒しちゃって、すぐに退くから。」

劉一は、そう言うと体を起こし押し倒した彼女を引っ張りあげた。

「ふう……改めて大丈夫だった?君……。」

どうやら怪我は無いようだけれど、劉一は心配そうにそう聞く。

「勝手な事しやがって…… ほっといてくれればよかったんだ!!私はもっともっと地獄を見なきゃならねぇんだ!こんなもんなんでもねぇ!」

彼女はそう言って、机に戻った。

「あ…!」

劉一が何か言おうとした時には、もう勉強?に戻っていた…。




でも… なんでだろう。


聞いてみたいことがあったんだ。



「………君はなんでそんなに自分を追い込んでいるの?」

劉一は助けた事を罵倒された理由より…そっちを聞いてみたかったみたいだ。

幸せ者(テメー)みたいな奴に言っても理解されないかもしれねぇがな、素晴らしいものってやつは地獄からしか生まれないんだ!それは歴史が証明してる!こんな恵まれた人生じゃ私は駄目になるんだよ!だからだ!」

歴史上の多くの天才達は不遇を送っていて偉大な発見は大抵劣等感から生まれている。

それは間違いないのかもしれない。

「なるほど…… 確かにそうかもしれないね……。」

しっかりと彼女を見つめながらそう言った。

「はっ!わかんのか? ならもうジャマするんじゃねぇ!」

そう言い机に向かった。

「でもね?……それは少し違うと思うんだ。机に向かったままの姿勢でいいから 僕の独り言聞いてくれるかな?」

机に向かったままの彼女に言う。

「確かにさ……そうだよね。 偉大な発明や発見は…… そう言う劣等感からとか、不幸とかから生まれてきてるのかもしれないね。 でも……。だけど、それはきっと糧であって、最終的には努力が実を結ぶんだと思うんだ……。 そこは地獄だとか幸福だとか関係ないと思う。だって……この世にはたくさんの人が劣等感や不幸を背負ってるんだから、 君の言い方だったら、この世に天才が沢山生まれちゃうと思うよ?それだけで一括りしちゃったらさ?」



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