第一話 正式サービス開始宣言
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からずあり、その結果』
――だからこそ、なのだろう。
『――残念ながら、すでに213名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している』
理論的に説明し、その報道されているニュースなどをみせて、説明したのは。プレイヤー全員に確実に理解させるために、そうしたのだろう。
実に、悪質な事この上ない説明である。それで事実を理解したのか、どこかでひとつ、細い悲鳴が上がる。
しかしまだ大多数の人間が、放心や薄笑いを浮かべて事実を受け入れようとせず、拒絶している。
糸目の少年は事情説明を受けていた為至って平然かと思いきや――よく見るとその肩は、小刻みに震えていることが分かる。
そんなプレイヤーたちの幻想を薙ぎ払うかの如く、あくまでも実務的な茅場明彦のアナウンスが再開された。
『諸君が、向こう側に置いてきた肉体の心配をする必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強引に除装される危険はすでに低くなっていると言ってよかろう。今後、諸君の現実の体は、ナーヴギアを装着したまま2時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護体制の下に置かれるはずだ。諸君には、安心して・・・・・・ゲームクリアに励んでほしい』
「何を言っているんだ! ゲームを攻略しろだと!? ログアウト不能の状況で、呑気に遊べってのか!? こんなの、もうゲームでも何でもないだろうが!!」
誰か一人が、大声でそう叫んだ。
その声が聞こえたかのように。
茅場明彦の、抑揚の薄い声が、穏やかに告げた。
『しかし、十分に留意してもらいたい。諸君にとって、《ソードアート・オンライン》は、すでにただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。・・・・・・今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に』
続く言葉に、この会場は絶望の淵へと落とされる事だろう。何故なら――
『諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』
ゲームの中で死んでも、現実世界の自分は死んでしまう。つまり、これは本当に茅場明彦が言うように、この世界がプレイヤーたちにとっての現実になるのだ。これは、あまりにも残酷な宣言。ゲームにおいて1回もゲームオーバーせずにクリアしろなど、大抵のものであれば不可能である。
更にそれがHP0になった瞬間――すなわち、PTメンバー(チームのこと)が他に生き残っていたとしても、その人を通常のゲームのように蘇生アイテムで蘇生させることは許されない。詰まる所、一度の失敗も許されない。失敗すれば、ただ
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