レーヴァティン〜クロスクエスト〜
プロローグ〜灼熱の世界〜
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つの世界があるらしい。
で、今回その《魔剣レーヴァティン》とやらを取りに行くのが地獄の世界《ヘル》を構成する三つの層《ムスペルヘイム》《ミスリルヘイム》《ダークマター》の最上層、《ムスペルヘイム》なのだそうだ。
シャノンの話によると、《ニヴルヘイム》以下の大地にはもはや世界樹の恵みすら届かず、ひたすら地獄のような世界が待っているのみなのだそうだ。
《ニヴルヘイム》は闇と氷の世界。
《ミスリルヘイム》は金属と光だけの世界。
《ダークマター》は実態をなさない暗黒だけの世界。
そして……
ここ、《ムスペルヘイム》は、炎で構成された、まさしく地獄というべき場所だった。
「あ、暑い……」
「セモン厚着だもんね……」
俺が呟くと、隣でコハクが答え、くすっと笑う。
「わ、笑いごとじゃねぇぞ……結構やばいこれ。熱中症になりそう……何で平気なんだシャノン」
俺はこんなところにいるにもかかわらず厚着をしているシャノンに声をかけた。
「ん?簡単さ。僕はこういう暑さになれてるからね。僕の出身地は夏がすごく暑くて、冬はすごく寒かったんだ。こういう環境にはそれなりになれてる」
「すっげ〜……グリヴィネは?」
前を歩くシャノンの、斜め右後ろ、銀髪に黒いマフラーの少女、グリーヴィネスシャドウことグリヴィネにも問う。
「私はそもそもこういう気温をあんまり感じることがないですし。それに肩も出てますし、足も素足ですしね」
確かにグリヴィネの服は肩が出ている(コハクのもだ)。それにスカートから覗く彼女の足には、ひざ下からのソックスと、その少し下からのブーツしかない。
「ああ……熱い…暑い……寝るなハザード」
「はふぇぐ!?!」
隣で眠りかけているハザードをぶったたくと、奇妙な音と共に目を覚ました。
*
ニヴルヘイムのダンジョン。そこに、一人のプレイヤーがいた。頭には特徴的なネコ耳。アルヴヘイム9種族の一つ、ケットシーだ。
大剣をまるで重さなど感じないかのようにぶんぶん振り回し、巨人たちを薙ぎ払っていく。
彼の名はゲツガ。SAO時代に《白い弾丸》の異名でおそれられたプレイヤーだ。
「ふぅ……さすがに一人で邪神狩りは骨が折れるぜ」
ゲツガは大剣を収めると、安全地帯に向かって歩き始めた。
岩と氷でできたその安全地帯に、足を踏み入れた瞬間……
ザザザザザザザザ!!!!
と、視界にノイズが入った。
「え?」
不意に、足元に真っ暗な大穴があく。
「おいおい
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