第十四話 すれ違い
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ような馬鹿にしたような顔は今でも忘れられない。
以前、試しに私の“レイピア”を創れるかと、お願いしてみた事があったのだが、彼はあっさりと創ってみせた。
だけど、それと同時にこんな事も言った。
「確かに、私は武器をそっくりに創り出す事はできる。だが、あまり君の武器を量産するのはお勧めしない。私の投影した武器は本物にそっくりの贋物だ。本物と比べると質は若干落ちる。だから、君は素材を集めて自分自身で武器を造った方がいい」
そんな事を言ってきた。
私からすれば、私の武器をいくつも創ってくれた方がありがたい。
だけど、アーチャー自身それに乗り気ではないのと、質が落ちるという点を考慮すると、今後のため自分で新しい武器を造る方が良いみたいだ。
そういうわけで、私は自分の武器の強化のために、今知り合いの鍛冶屋へと向かっている。
私が贔屓にしている鍛冶屋というのは、一人の少女が開いている。
彼女とは路上で露天販売をしている時に出会った。
年が近いという事と、信頼できるという事で、私はいつも彼女に武器の手入れを依頼している。
「リズー、居る?」
私は店の扉を開け、少女の名を呼んだ。
「いらっしゃいませー…って何だアスナか」
鍛冶職人のリズベットは、この世界での私の数少ない友人の一人。
「なんだってなによ、もう」
私は彼女の態度に少しむくれる。
「ごめんごめん、ついね」
そんな私を見てリズは手を軽く振って謝る。
「それで、今日はどうしたの。武器の手入れは前にしたはずだけど?」
「ううん。今日は少し強化してもらおうと思って」
私はそう言うと、ウィンドウを操作してアイテムを取り出す。
すると、リズは途端に目を輝かせた。
「なにこれ!?これってS級素材で、手に入れるの滅茶苦茶大変なはずだよ?良く手に入ったね!?」
リズはそう言い、アイテムを受け取る。
「あー、うん。たまたま見つけて…ね」
私が差し出したのは、今日狩りをしている最中、たまたま私とアーチャーが倒したモンスターがドロップしたものだ。
そのモンスターも、なかなか手ごわいうえに逃げ足が速いので狩るのは難しいとされている。
だが、そのモンスターを見つけた瞬間、アーチャーは弓を放ちモンスターを足止めした後、私が止めを差す形になった。
弓を放ったアーチャーによれば、動いていなければ仕留めるのは容易、動いていてもあの程度なら当てる自信はあるらしい。
やはり、その辺りは弓兵の名の通りの腕前である。
「ふーん、まいいわ。すぐ終わるしそこらへんで待ってて」
リズはそう言うと、私からレイピアを受け取る。
レイピアと囲うようなアイテムを作業台へと持っていくと、リズはハンマーを取り出し
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