暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
魔法先生ネギま!
0249話
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 己の放った魔法の矢をスライムにいとも容易く防がれたエヴァンジェリン。俺は詳しく知らないが、通り名やら二つ名を大量に名乗っていたのを考えるに余程力のある魔法使いなのだろう。……その能力の大半は制限されているにせよ。

「スライム如きが私の魔法をああも容易く防ぐ、だと? それにそのスライムに関しても私の知っているソレとは随分と違う」

 そう言いながらも、再び懐からビーカーを数本取り出して両手に持ちながら構える。

「先程の魔法の矢は防げたようだが、次も防ぐ事が可能かな?」

 そう言いながらビーカーを放り投げてくるエヴァンジェリンだが……甘い! そうそう何度も同じ手でやらせると思っているのか!
 スライムを操作し、瞬時にその身を伸ばす事でビーカーが地面に叩き付けられる前に受け止め、そのまま吸収する。
 その様子を見ながらも何故かニヤリとした笑みを口元に浮かべるエヴァンジェリン。何だ、拙い!?
 同時に念動力による危機察知が危険を知らせる。

『リク・ラク・ラ・ラック・ライラック。来れ氷精 爆ぜよ風精 弾けよ凍れる息吹……氷爆!』

 馬鹿な、ビーカーは全てスライムで受け止めた筈だぞ。

「ちぃっ!?」

 それでも危険を察知し、咄嗟にバックステップしてエヴァンジェリンから距離を取る。だが、それでもまだ一瞬遅かったらしく数瞬前まで俺のいた場所を中心にして氷の爆発とでも言うべき現象が起き、その氷の一部が俺のジャケットを掠める。

 ギンッ!

 妙な音を立てて氷とぶつかったジャケットに意識を取られながらも、それ以上の攻撃は受けずにエヴァンジェリンと距離を開ける事に成功する。

「……ビーカーは全て受け止めた筈だがな」
「ふん、驚いてもらえたか? 毎回驚かされるのが私だけというのも不公平だからな。何、種明かしは簡単だよ。別に魔法薬は必ず前方に投げなければいけない訳ではないのだからな」

 そう言いつつもチラリと自分の足下へと視線を向けるエヴァンジェリン。
 ……成る程。大仰にビーカーをこちらへと投げつけて注意を引き、それに紛れて本命をスライムから距離のある自らの足下で割る、か。

「見かけによらず、随分と場慣れしているな」
「フンッ、貴様こそその年頃にしては随分とまぁ修羅場を潜っていると見える」

 お互いをそう評価しつつ、現在の取れる戦法を探る。肉体的な物は体調の問題もあってそう多くはない。せめて後1時間後だったらまた話は別だったのだろうが。となると、空間倉庫の武器、スライム、念動力といった所か。

「戦術は決まったかな?」
「そっちこそ準備はもういいのか?」

 俺とエヴァンジェリンの間で緊張が高まる。

「ふっ!」
「行けっ!」

 再びエヴァンジェリンが糸を周囲へと張り
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