十三話
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でも、今なら私が救ってあげれらる。それを教えれば、張角はこちらの意のままになるわ」
「そうか、君がそこまで考えていえうなら、私も異論は無い。ただ、張角の首を見せなければ、世間は収まらんし、なにより、君の功績が霞む。その点は如何する気だ」
「その点は抜かりないわ、なにせ張角の顔を知るのは黄巾党の中でも一部だけ、貴方の情報網でも人相を掴めていないなら、殆どの者が知らないわよ」
「そこまで言ってくれるのは嬉しいが、替え玉でも使うのか」
「そんなところ、素性が定かでなくて、足がつかない、人相が悪いのが一番いいのだけど」
「なら、五胡が一番いいだろう。丁度、捕虜の中に羌族が四、五人混じっている」
「なら、そいつらを張角と黄巾党の首謀者って事にして、晒せばいいわ」
「わかった、真桜と沙和に連絡してそれらしい格好に着替えさよう。良いか」
「ええ、これだけの乱を起こした者がみすぼらしい格好だと、示しがつかないわ、上手くやるように指示しなさい」
「了解した」
そう言って、如水は真桜と沙和に対し捕虜の羌族を張角に仕立てるよう書をしたためた。更に、この事は自分達が戻るまで誰にも口外するなとも書き、書を送らせた。
「これで、帰陣する頃には、張角の替りが出来るだろう。急いで、本物を捕まえよう」
「そうね、向こうを逃がしたら、元も子も無くなるわ」
その後、張角ら捕らえたとの凪からの報せを受けた。二人は張角、張宝、張梁と対面し、命を助ける代わり自分の為に働くよう命じた。殺されると思っていた三人は意外な救いに感謝し、ぜひ、役に立ちたいと申し出てきた。
帰陣した曹操は、如水の指示通りに真桜と沙和が用意した替え玉を、張角と名乗らせ朝廷に差し出した。
朝廷は曹操の功を称え、曹操を西園八校尉の一つ典軍校尉に任じた。
これで黄巾の乱は終わったが、朝廷の権威は落ち、対して諸侯は力を付けた。如水は曹操の文官と武官としての仕事、更に、凪、真桜、沙和の指導に忙殺されながら、これからの動きに注意を払っていた。権威が衰えたとはいえ、まだ、利用価値のある漢王朝を誰が如何、利用するのか。
如水は次の動乱を予想しながら、それを統べる力を曹操に持たせる準備を行っていった。
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