薬草防衛戦B
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ギュギュー(お前、俺の子分にならないか)?」
スラ子を勧誘するスラ吉。
返答は決まっている。
「キュー!」
NOである。
力づくで薬草を奪おうとした。
そんな奴の部下など、断固お断りだ。
「ギュー(そうか、ならば叩きのめすまで)!」
両者共に、相手へ向かって走る。
リーチの長さを活かしたスラ子のパンチ。
スラ吉は鮮やかに避け、ニヤリと笑って体当たりをした。
「キュグ!?」
スラ子は吹き飛ばされ、地面に転がった。
今回の戦いで、初めてのダメージ。
痛みに顔をしかめつつ、お返しとばかりに石コロを投げる。
だがそれも、あっさりと避けられた。
他のスライムと比べて、スラ吉は戦闘経験が豊富。
相手の動きを見て、どんな攻撃がくるか予測している。
素人と変わらないスラ子の動きは、手に取る様に分かった。
「ギューギュー(俺はスラクックやスラ太朗と違うぜ、おらっ)!」
再び体当たりで、吹き飛ばされる。
起き上ろうとしたが、その前に駄目押しの体当たり。
転がされて、スラ子は倒れた。
「ギュギュギュ、ギュー(くっくっく、薬草はもらっていくぜ)。」
薬草の場所に向かうスラ吉。
しかし、ピタリと止まる。
後ろから気配を感じたからだ。
慌てて振り返った。
目に入ったのは、蹴りを放とうとしているスラ子。
「ギュ(くっ)!?」
捻って避けるが、僅かに身体をかすめた。
スラ吉の目が険しくなる。
油断した自分への怒り、身体に触れたスラ子への怒り。
「ギュー(まだ動けたか)!」
全力で体当たりし、容赦ない攻撃を浴びせる。
高く飛び跳ね、押し潰す勢いで落下したのだ。
転んでいたスラ子は避けれない。
強烈な一撃。
「キュウッ!」
「ギュー(まだまだ)!」
何度も何度も、スラ子の上で飛び跳ねた。
「ギューギュー(はぁはぁ、もう立ち上がれまい)。」
ピクピクと痙攣しているスラ子。
スラ吉は息を切らせながら、薬草の場所に向かうが・・・。
「ギュギュー(おいおい、嘘だろう)。」
また後ろから気配を感じた。
振り返って見たのは、スラ子のドロップキック。
疲労で反応が遅れる。
避けれないと悟ったスラ吉は、引きつった笑みを浮かべた。
ドロップキックのクリティカルヒット!
今度はスラ吉が吹き飛ばされた。
「ギュ、ギュハ(ぐ、ぐはっ)。」
まったく身体が動かない。
納得いかねぇーと、スラ吉は愚痴りたかった。
自分は一撃で、この有り様だ。
あれだけボコボコにしたのに、なんで何度も立ち上がれる?
しかも、元気な状態で・・・。
スラ子が近づいてきた。
「ギュギュー(ここまでか、好きにしろよ)。」
「キュ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ