暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
穂群原学園(U) 〜パニックソニックデッドコースター〜
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凛を宥めすかせば当面は解決だ。
今朝の件について凛には自覚がないので、これは放置が安定だろうと判断。
だから今は結界の対処について俺は話し合いたいのだが…………
「なんなのよ、もう! 頭悪すぎるでしょ士郎!」
「落ち着けー、優等生の皮はどこにいったー」
当人は先ほどから怒り心頭です。
うー、と唸りながら、憤りを隠そうともしていません。
確かに士郎の能天気さは神懸かっているが、そこまで目の敵にするほどでもないだろうに。
拠点である屋敷の場所も判明しているし、マスターとしての性能やサーヴァントであるセイバーの基本能力も把握している。
宝具にのみ警戒し、戦略と詰めを誤らなければいつでも潰せる相手だ。
必要以上に拘りを持つと、ロクな結果にならないことは目に見えている。
「まぁまぁ、俺たちだって学校には来てるわけだし」
「私たちは色々取り決めてあるし、周囲や相手への警戒心もあるじゃない。衛宮くんのあれはボケてるとかじゃない、絶対に私たちを嘗めてるのよ」
「そんなことないって。昨日の今日でそこまで抜けてたらもはや病気の類だろ」
「衛宮くんは素人のくせに、サーヴァントさえ連れていないのよ?
アイツはっ、今っ、自分がっ、置かれているっ、状況がっ…………なんら一切っ、わかっていないのよッ!!」
「……わかったわかった、抑えて抑えて。じゃなきゃ俺の鼓膜が破れちまう」
寒空に響き渡る憤怒の声。
空気をビリビリと伝播する叫びは、耳を塞いでいたって聞こえるほど大きい。
今にも駆け出して士郎にヘッドロックをかけた挙げ句、
Dead or Alive
(
生きるか死ぬか
)
を迫りそうな勢いだ。
「じゃあせめて授業がある時間帯だけは見逃してやろうや。万が一人が居ない時間まで残ってたりしたら好きにすればいい」
「なに、そのときは邪魔しないの?」
「なんで邪魔するんだよ。そこまで無自覚な奴ならどうせ近いうちに脱落するだろうから、狩るならどうぞご自由に」
友人としてある程度は情けをかけてもいいが、一定の域を超えたらこちらの知ったことではない。
俺の知らない場所で勝手に死ぬならそれで構わない。
いや、たとえ死ぬと知っていたとしても、それが俺の目の前でもなければ助ける義理などない。
天性のお人好しでもあるまいに、誰でも彼でも助けていたら命がいくつあっても足りないんだから。
手の届く範囲なら助ける。
俺の能力の埒外にあることや、そいつの自業自得なら助けない。
それが俺の、他者に対する信条の一つだ。
「そんなことより、今は結界をどうするかが先だろ」
「確かにね……まさか昨日一日で復元されるとは思わなかった」
「相当な暇人だよな。相変わらず優れてんのか
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