暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第22話 王都であれこれ
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。暴れられるのも嫌だったので、とりあえず女の子を拘束する事にします。(資料崩れたら後が大変だし)女の子は焦って逃げようとしましたが、力で私に勝てるはずも無く大人しくなりました。

(……やっと大人しくなってくれましたか)

 しかし女の子は、私が油断した(すき)をついて脱出する心算だった様です。突然万歳をしたと思ったら、しゃがんで私の拘束から抜け出そうとしました。所が私の拘束は、女の子が思っているほど甘くはありません。女の子の体は、少しずれただけで脱出は出来ませんでした。

 しかし、その結果私の右手が掴んでいたのは、女の子の脇腹では無く左胸でした。

(あっ、不可抗力だから仕方が無い……です よね?)

「ッ!! 〜〜〜〜!?」

 女の子が声にならない悲鳴を上げると、動揺した私は右手の力を抜いてしまいます。女の子は私の手を振り解き、距離を取る為に跳びました。しかし跳んだ先には、私が先ほど捨てた杖が……。

 女の子は杖を踏んで見事に転びます。私が助ける間もなく、女の子は頭から本棚の角に突っ込みました。

 ゴンッ!!

 すっごい派手な音がしました。恐る恐る確認すると、女の子は気絶している様です。ディテクト・マジック《探知》で確認しましたが、派手な音が出た割に大した怪我はしていませんでした。私はその事に安堵のため息を漏らすと、取りあえず女の子にヒーリング《癒し》をかけ、私が寝床にしているソファーに寝かせると、毛布をかけました。

(しかしこの女の子、誰かに似ている様な気がします。……あっ!! アンリエッタ姫に似てるんだ!! 不味い。本当に姫だったら如何しよう?)

 私は暫く混乱していましたが、それで状況が好転する訳ではありません。取りあえず連絡をと思い外に出ましたが、おかしな事に衛兵が1人も居ないのです。私は嫌な予感がして、資料庫に戻りました。

 未だ気絶している女の子を起こすと、凄く警戒されました。しかし私が状況を説明すると、途端にニコニコし始めます。

「外に逃げた振りして正解だったわ」

 あまりの言葉に、私は絶句してしまいました。そしてその言葉を信じるなら、衛兵が居なかったのは“この女の子(アンリエッタ姫?)を探して外に行っているから”と言う事になります。信じたくはありませんが、私の中で女の子=アンリエッタ姫の公式が正解に近づきました。

「取りあえず、大人の人連れて来ますよ」

「ダメよ」

 私はかまわず人を呼びに行こうとしました。しかし次の一言で、強制的に引きとめられます。

「胸を触られたわ。転ばされて頭を打ったわ。とっても痛かった」

 私はその言葉に固まります。ここまでは完全に嘘ではない為、言われても仕方が無い事です。しかし続きは、泣きたくなるほど酷い
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