暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
第三十七話〜言葉〜
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話

機動六課・医務室


 沈んでいた意識がハッキリする。重みを感じる瞼を持ち上げると、夜の暗さに染まる部屋の天井が見える。どこかぼんやりする頭と目の周りに感じる若干の痒みを認識すると何故自分が眠っていたのかをライは思い出した。

「………泣き疲れて眠るなんて…何時以来だろう……」

 ぼんやりする思考の中そう呟く。
 あの時屋上で泣いたあと、ライはそのまま3人に抱きしめられたまま眠ってしまったのだ。しかしそれは無理もないことであった。
 この1日だけでライは自分が思っているよりも濃厚な時間を過ごしていたのだから。なのはとの模擬戦に始まり、紅蓮弐式との戦闘、そして極めつけはライに負担をかけるCの世界との簡易接続。
 ライが六課のメンバーに過去を見せる際、ライはある役割をこなしていた。それは自分を通じて六課メンバーの意識をCの世界と一時的に繋げるというものであった。これはCの世界と強い繋がりを持つライか、もしくはコードを持つC.C.にしかできないことであった。なのでライは六課のメンバーが実際にどれだけの過去を見ていたのかは正確には把握していなかったりする。

 閑話休題

 自分がこれからもこの機動六課にいられることと過去を受けれいてもらえたことへの安心感から緊張の糸が切れ、あっさりとライは眠気に身を委ねることになった。
 その後、眠ったライを3人は医務室に運び今に至る、というわけである。
 なんとなく自分の今の状況を察したライは時計を確認する。時刻を見るとライが食堂を出るときに見た時刻から、そんなに時間は進んでいなかった。

「………顔を洗ってこよう」

 自分の顔についている涙の跡を感じて、ライは顔を洗うために医務室を後にした。



機動六課・隊舎付近


 顔を洗ったライは眠気がなくなった為、いつもの中庭に向かっていた。
 その途中、ライはある人物達を見つける。それはスバルにエリオにキャロ、そしてフリードとシャリオの4人と1匹であった。彼らを見つけたライは反射的に声をかけようとするが思い留まった。何故ならその4人と1匹は観葉植物の茂みに隠れ、何かを伺っている様子であったのだ。

(………声をかけるべきか、そっとしておくべきか)

 そこでライはその4人と1匹が何を見ているのかが気になり、その視線を追っていく。そこにいたのは、地面に座り話し込んでいるなのはとティアナの2人であった。
 2人は話している途中にクロスミラージュを取り出しセットアップする。その後、なのはが口を動かし何か、言葉を発した。それと同時にクロスミラージュの銃身とグリップを覆うようにブレードが展開される。それを呆然と見るティアナに向けて、なのはは更に言葉を送っていた。なのはの言葉を聞いたティアナは泣き崩れ、なのはに謝り始め
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ