第13話
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怒りに適当に進み過ぎて本当にここがどこかわからなくなり始めた時にその子は現れた。
「あれ? こんなとこで何してるの? その荷物……、不審者? ヤバ、警備員呼んだほうが……」
いきなりこっちを見ながら物騒なことを言い始めたその子。 待った待った、私は怪しいもんじゃないわ!!!
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!! 私は明日転入する予定の『凰 鈴音』よ。 今日は入寮の手続きとか諸々の手続きに来たのよ!! ほら、入学受付の案内状よ」
「え? どれどれぇ。 偽造……じゃないようね。 ふ、IS学園はあなたを歓迎するわ」
「ちょ、なんであんたが学園最高責任者みたいなこと言ってんのよ!?」
いきなり案内状にどこから取り出したのか、ブラックライトを当て始める彼女。 案内状の表面にはIS学園の透かしが無数に浮かび上がっている。 驚愕の面持ちで私が案内状を眺めていると、透かしを確認したのか満足そうな様子でブラックライトを消し、案内状をこちらに引き渡す彼女。 案内状を確認すると、なぜか偉い人口調で話しだす。 思わず突っ込んでしまったけど、もしかして実は偉い人とか? 案内状の真贋を見分ける方法を知っているぐらいだし、私と同い年ぐらいなのにすごい権力とか持ってるってこと?
「えっと、本校舎一階の受付ってところに行きたいんですが……、どこかわかりますでしょうか」
ただ権力を振りかざしてくるだけのおっさん連中なら、ガンガン攻めていける私でも、流石に同い年ぐらいの権力者にはなかなか突っ込んでいけない。 ついつい敬語になってしまう。
「ええ、知っているわ。 中国代表候補生『凰 鈴音』さん」
「え!? 知って……」
知っていたてこと? って、学園でも偉い人なら知ってて当然か……。
「それで、本校舎一階の受付でしたね……。 それでは鈴ちゃん行きましょうか」
「鈴ちゃん!?」
「あら? 嫌でした? 私と同い年ぐらいだと思いましたので、失礼ながらあだ名というものをつけさせていただきましたのですが」
「いえいえ、全然大丈夫です!! はい、まったく、問題なく!!」
ふふふっと上品に笑う目の前の彼女。 きっと上流階級出身の方なんだろう。 会ってすぐの時はなんだかあか抜けていたように感じたけど、こっちが本性か。 口元に手を当てる仕草も洗練されていて非常に優雅である。
ヤバ、私別に同性好きとかじゃないけど、この子は素直に可愛いと思っちゃうじゃない。 ちょっとまって、私には一夏が……、って一夏は別にただの幼馴染よ幼馴染!! あ、名前を聞いておかないと……。
「あの、そういえば聞いてなかったと思うんですが、お名前は///」
恥ずかし!!! なんで名前聞くだけでこ
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