第13話
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いよ。 じゃあ、当日まで一夏君には内緒でおねがいね」
「任せてよ!! 当日はすんごいのを用意しちゃうからね!!!!」
「期待してるよ!! じゃ、解散!!」
持筧さんの号令により、この『友永風音の腕前確かめましょう会』はお開きとなった。
夕方、そろそろ日も落ちようかという時間に、廊下をさまよう私は怒っていた。
「もう!! 本校舎一階受付なんてどこにあんのよ!!! 案内板ぐらい置いときなさい!!!!」
着替えなどを詰め込んだボストンバックはそれなりに重く、小柄な私が持って歩くにはちょっと不便なのである。 まぁ、最低限の荷物は入れてあるので、二日は野宿可能であるが、やっぱりその分重いのだ。
「えぇっと? 本校舎一階受付に向かうべし……、何度読んでも一文も変化しないわよ!!!」
あまりにも彷徨い過ぎて、何度も確認した案内の紙を読み返し、一向に変化の兆しを見せない案内に突っ込みを入れてしまう。
私がこんなにイライラしているのは理由がある。
一つは、校門付近でうざいやつに絡まれたから。
学校についたばかりで、施設のあまりの広さにびっくりしていた私に、優しげな顔をしてそいつは近づいてきた。 最初は、困っている私を見かねて声をかけてくれたのかと思ったけど、初対面の癖になれなれしく絡んできたり、意味不明にニヤニヤしたり、なんか触ってきたり……。 あまりにうざいので、そいつを無視していこうと思ったが、「まぁ、待てよ。 そんなに恥ずかしがらなくても、俺がお前の行きたいところにつれてってやるからさ」とか、あまりにもしつこかったので思いっきり上段回し蹴りで顎を打ち抜いてやった。 首が半回転して、口から「けぺッ」って言う奇妙な言語を発し、膝から糸の切れた操り人形のように崩れ落ちたけど問題ないでしょ。 あ、銀髪の『オッドアイ(?)』とかいう容姿の奴だった。 この学園で友達ができたら、注意するように呼びかけておこう。 「校門付近には『変質者』がでるよ」と……。
もう一つは、受付を探しているときに幼馴染を見つけたんだけど、そいつの隣には知らない女が侍っていた。 しかも二人だ。 一人は黒髪をリボンでポニーテールにした女で、つんけんした態度を取りながら幼馴染に接していた。
もう一人は、金髪でいかにもお嬢様といった外見だったが、こっちもいかがわしい空気をさせながら幼馴染とべたべたしていた。
一夏のやつぅ!! この幼馴染、『凰 鈴音』というものがありながら、ほかの女子に鼻の下を伸ばすなんて……!!!!! 許せないわ!!!!!
ってことで、いろいろ嫌なことが重なったため、とても機嫌が悪いのである。
あまりの
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