第二十九話 神社の巫女その四
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「ちょっとね」
「お孫さんの名前を決めることも」
それも問題だというのだった、こうした話をして。
先輩は二人にこうも言った。
「で、その神社だけれどね」
「はい、その先輩がおられる神社ですね」
「そこですね
「あそこも出るって噂があるのよ」
八条学園の中だけあってだ、この神社もだった。
「夜に行くと天狗を見たってね」
「天狗ですか」
「その妖怪さんですか」
「本当かどうかわからないけれどね」
だがそれでも噂としてあるというのだ。尚二人にとってはその噂は事実であるが先輩がそのことを知る由はない。
「そうしたお話があるのよ」
「神社に天狗ですか」
「その妖怪さんがいるんですね」
「しかも一人だけじゃなくて」
天狗の数の話にもなる。
「烏天狗が何人かいてね」
「何人もいるんですか」
「そうらしいのよ」
こう聖花に話す。
「それで大天狗fがいて」
「あっ、あの顔が赤くてお鼻の高い」
「天狗については童話で読んだけれどね」
だから先輩も知っていたのだ、天狗といっても一種類ではなく何種類もいるのだ。
「その大天狗が一番偉いのよね」
「はい、そうなんですよ」
「天狗さん達の中では」
「烏天狗が確かあれだったわね」
先輩は今度は烏天狗のことを話す。
「牛若丸に剣術を教えていたっていう」
「あっ、蔵馬山ですね」
「あそこでしたね」
「そうらしいのよね」
これは伝説の話だ。牛若丸、長じて源義経となる彼が八艘跳び等の超絶的な剣術を身に着けたのは天狗達に教えられらのだ。
「まあ伝説だけれどね」
「そうですね、あくまで」
「そうしたことらしいってことで」
二人は先輩の言葉に頷くだけだった。だがその後で。
二人は部活の後で博士の研究室に行った、そのうえで博士に天狗の話を聞くと。
博士は月餅を食べつつ自分の席で中国茶を飲んでこう二人に話した。
「その話は事実じゃぞ」
「えっ、じゃあ源義経は本当に」
「天狗さん達に剣術とかを教えてもらったんですか」
「その通りじゃ」
月餅を右手に持ちこう言うのである。
「だからあれだけ強かったのじゃよ」
「ううん、伝説と思ってましたけれど」
「違ったんですね」
「違ったのじゃよ」
実際は、というのだ。
「事実だったんじゃ」
「そうじゃ」
ここでいつもの様に研究室で博士と共にいて遊んでいる妖怪達から大柄で赤い顔の者が出て来た。服は山伏のもので右手には葉の団扇がある。
他ならぬ大天狗だ、その彼が二人に話す。
「わしが烏天狗だった頃に手合わせをしたものだ」
「まさかその当事者がこの学校にいるなんて」
これまで多くの妖怪達と交流してきた愛実もこのことには目を丸くする、聖花も同じだ。
「予想f外だったわ」
「流石
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