TURN71 ベルリンへその四
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「何とかすることは出来る」
「いえ、それは何でも」
「潜水艦なら隠れて行ける、それにだ」
「それに?」
「俺だけじゃないからな」
ここで東郷の後ろに日本、そして韓国が出て来た。まずは日本が穏やかな声でエルミーに述べたのである。
「スエズまでは一瞬で行けます」
「国家の自国なら何時でも瞬時に行ける能力を使えばですね」
「大使館は既に閉鎖されていますが」
戦争に巻き込まれるのを避けて各国の外交官達は既にベルリンを去り中立国のスイスに一時退散している。
「しかしまずアラビアまで行き」
「そこからスエズにですか」
「はい、行けます」
まさに一瞬でだというのだ。
「このことはご安心下さい」
「そうですか。ですが」
そこまでは何とかなった。だが、だった。
それでは不可能だった。エルミーは日本にこのことも話した。
「幾ら潜水艦でもエイリス領を幾つも通過しますから」
「私は忍者でもありますから」
「忍者、ですか」
「情報部の明石大佐と同じです」
日本は彼の名前も出した。
「私は隠密行動も出来ます。一隻位なら」
「問題なく、ですか」
「はい、潜宙に加えてそれも使えますので」
「ベルリンまで。帰りも含めて」
「いけます」
そしてさらにだった。
韓国が笑顔でエルミーに言ってきた。
「爆走の起源は知っているんだぜ?」
「確か遊牧民でしたね」
エルミーは常識から話した。
「そうでしたね」
「違うんだぜ、俺なんだぜ」
「いえ、それは違うのでは」
「違うのはエルミーなんだぜ。爆走の起源もそれなんだぜ」
「あっ、そういうことですか」
エルミーはここでやっと思い出した、韓国の趣味は起源の主張なのだ。
それで爆走についてもそうなる、エルミーはこのことを思い出してからあらためて彼に応えた。
「起源ですね」
「そういうことなんだぜ」
「とにかく爆走を使えば」
「スエズからローマまで一気なんだぜ」
「そしてそこからベルリンまでも」
爆走を使えばベルリンまで合わせて二月だった。普通なら三月かかるが。
この一月の違いは大きい、エルミーは頭の中で戦局と計算してから言った。
「ぎりぎりで間に合いますね」
「はい、それではです」
「今から行くんだぜ」
「祖国さんと韓国さんがいるから大丈夫だ」
だからこの二人を連れて来た東郷だった。彼はそこまで考えてエルミーの前にこうして出て来たのである。
「じゃあ今から行くか」
「長官もですね」
「もう帝ちゃんと柴神様には話しているからな」
絶対の信頼が置ける二人には、だった。
「ただ宇垣さんや秋山には話してないがな」
「お二人は絶対に反対されますので」
日本が答える。
「あと心配性の平良さんにもです」
「あの人いつも俺
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