暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
幕間 「その日少年にあったこと、あの日少年が思ったこと」
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身体を保健室のベッドに寝かせる。

「・・・・・・っ」
「よいしょっと。ありがとーねー!べるる〜ん」
「・・・・・・帰る」

満面の笑みを浮かべるホンネの顔を、僕は直視できなかった。
――やはり駄目だ。君は・・・君たちは、余りにも、“かつての僕の友達”を思い出させすぎるよ。
無事に作業を終えた僕は、力を使い果たしてふらふらしながら逃げるように自室へ戻っていった。
翌日、このことを知ったオリムラが元気1,2倍増しでやってきて、手伝ったことを軽く後悔した。
胃が痛い・・・っていうかオリムラ、お願いだから近づかないでくれ。ホンネも。



 = = =



〜翌日〜

「代表は織斑君に決定です!」
「「「わー!」」」
「・・・解せぬ」

セシリアは一夏に勝ち、ユウ相手にも本人が引き分けと言っただけで実際には勝っている。だから本来代表になるのはセシリアの筈。が、セシリアは自分が気絶している間に辞退してしまったらしい。
となるとより善戦したユウが代表になるのが筋なのだが・・・ユウのISが調整不足を理由に最上重工に送り返されたため一夏が務めることになった。

「何か納得いかねー・・・」
「まぁいいじゃない?セシリアさんも多少は僕たちのこと認めてくれたみたいだし、どっちにしろあんなトンデモIS人様には見せられないよ」
「今日からお前が代表だ。これからも訓練に付き合ってやるから元気を出せ」
「箒・・・お前が天女に見えるよ・・・」
「褒めても何も出んぞ?」

軽口をたたく一夏だったが、内心では結構沈んでいた。自分がクラス代表になったことよりも別に、あの模擬戦の結果にである。

(セシリアには一撃も当てられずに完敗・・・ユウは一応が付くものの引き分けまで持ち込んでいる)

皆に顔を見られないように、口惜しげに歯噛みする。1組の専用機持ちの中で一番弱いのは、自分だ。今回だって散々大口を叩いておいて、結果は自分の身一つさえしっかり守れていないという体たらく。
ふと自分の愛機を思い出す。束さんが開発し、チカさんが改良し、姉の愛機と同じ力を備えたIS、白式。
俺はその操縦者に相応しいだろうか?皆に恥じない存在だろうか?答えはNoだ。
少なくとも今の俺は、それに相応しくない。知識も経験も覚悟も、何にも足りちゃいない。だから―――

(強くならないと・・・皆と並んで無限の成層圏を飛ぶのに恥じないくらいには、な)



決意を新たにした一夏の横顔を見ながら、千冬は静かに、そして小さく微笑んだ。
力を求めるだけではなく、何故力を求めるのかを忘れてはならない。もし忘れればその先にあるのは・・・神様気取りの愚者になるか、悪鬼となるかの二つに一つ。
3つ目の道。私がかつて見つけることが出来なかったその道
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