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ソードアートオンライン 弾かれ者たちの円舞曲
第参話 《第一層ボス攻略戦》〜前編〜
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ィー戦で不本意とはいえリーダーを務める。お前も俺のパーティーの一員だ。俺はお前らの命を必ず守る。シンもキリトも、アティもアスナも、勿論お前だって例外じゃない」
だから、と微笑を口に滲ませて、シキは小さく言う。
「お前らは誰一人、死なせやしない。俺が、全員まとめて守ってやる。まぁ安心しろ、なんて俺が言っても全く安心できないかもしれないけどな」
微笑に苦笑を混ぜてそう言うと、ぽかんとしているチルノへ、で? と聞く。
「俺を呼んだ理由はそれだけか? なら早く寝たいんだけど」
そう言って大きな欠伸を一つ漏らすシキ。
しかし、チルノは首を振った。
「ここで、私と戦ってくれない?」
「……………………はい?」
シキの頭が一瞬で真っ白になった。
「聞こえなかった? もう一度言う? 私と――――」
「いやしっかり聞こえてるから。そういう意味じゃなくて、俺のスキルは」
「そのぐらい解ってるわ。でも、それは貴方が『線』を切らなければいいでしょう?」
これが初めてシキがにっこりとした笑顔の裏にドス黒い悪意を見た瞬間だった。
「それに、あそこまで言ったんだから、私のこと守ってみせなさいよ?」
「…………たはー」
頭を抱えて後悔の念を脳内に展開させるが、過ぎたことはしょうが無いし、後悔しても何の意味もない。と結論づけ、頷く。
「いいだろう。ルールは?」
「《半減決着》よ。さて、守るなんて言っておきながら殺したら――あの世で笑ってやるわ」
チルノが不敵な笑みで発した言葉は、シキに少なからずプレッシャーを与えた。しかし、決闘(デュエル)に支障ない程度、シキもぎこちない笑みでそれに応じる。
【チルノ から1vs1デュエルを申し込まれました。受諾しますか?】
即座にYesのボタンを叩く。
【チルノからのデュエルを受諾しました】とウインドウに表示され、その下で六十秒のカウントダウンが始まる。カウントが0になった瞬間、二人の決闘が始まるのだ。
シキは五メートル程度離れてから、様になった動きで後腰のダガーを引き抜くと、手の中でくるりと一回転させてからダガーを逆手に構える。
チルノは劇画の侍のような滑らかな動きで大剣を中段に構え、表情を冷たい無機質なものへと変化させる。
そのまま永遠とも刹那とも思える程の時間が経って、二人の間に【DUEL!!】の文字が煌めいた直後、二人は同時に地を蹴った。
「シッ!」
先手を取ったのは、シキだった。チルノに書かれた三本の線を避け、下からの切り上げを繰り出す。
チルノはそれを難なく両手剣で逸らし、反撃の斬撃を繰り出さそうとし――全力で首を後ろへ倒した。
彼女の鼻先をダガーの銀の刃が掠め、ちっと舌打ちしてシキが少し離れた場所に着地する。
「……よく躱したな」
先程シキが行った行動は、既に人間業の域を超えていた
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