第参話 《第一層ボス攻略戦》〜前編〜
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はその時にするぞ!」
○●◎
「フルレイドの人数居るんだから、自ずと役割分担ははっきりされるわけか」
シンの呟きに、「そうだな」とシキは頷く。
「しかし、何であんなことしたんだ? シン」
シンはその問いに沈黙してから、ぽつりと、
「我慢ならなかったんだ」
小さく言った。
「我慢ならなかった?」
「……何か、差別してるみたいだろ? そういうの、嫌いなんだ」
それより、とシンは強引に話題を逸らす。
「パーティー、どうする?」
「そうなんだよなぁ……」
シキ達は別段人間関係を築くことが苦手なわけではない。が、どうも皆さっさと人数を集めてパーティーを編成したようだ。
残っているのは――――。
「俺達と……」
隅々まで目を向け、あぶれているプレイヤー達を探す。見つけられたのは隣のキリトと広場の端に佇んでいる赤いフード付きマントを目深に被ったプレイヤー。そして、広場の中央のあたりでパーティーメンバーを探している、赤髪の女プレイヤーがいた。
「よし、キリト。あっちの赤ずきんちゃんをよろしく。俺はあの女性をエスコートしてくる」
ばこーん、とキリトの背中を押して、シキ自身は赤髪の女へと向かう。
「あ、おい、シキ!?」
戸惑った声が背後から聞こえるが、無視する。
「すみません。パーティーメンバー、お探しですか?」
出来る限りの爽やかな声音で挨拶し、赤毛の女の注意を引く。
「は、はい。そうです」
女は少年に疑念を持ちながらも頷く。
真っ赤な頭髪に、右腰にはキリトが背負っているものと同じ――確か《アニールブレード》だったか――片手剣を装備し、赤一色の軽鎧、更にそれを隠すように白いコートのような上着を羽織っている女性だった。
「俺達のパーティー、二人メンバーが足りなくて……入ってくれます?」
「…わかりました」
僅かな間を置いての言葉だったが、疑いのない声と表情に、顔には出さないもののシキは驚いた。
「じゃあ、パーティー加入の申請送ります」
シキとしては話がこじれなくてよかったのだが、どうにも女の奇妙な雰囲気が否めない。
「(これは、もしかすると…………)」
そこまで考えた所で、了承が返ってきたので思考を中断させて名前を確認した。
そこにはAty――《アティ》とあった。
「えーと、よろしくお願いしますね? シキ君」
「え、えぇ。こちらこそお願いします、アティさん」
はい、と微笑みと共に頷くアティ。
アティを連れてシンとチルノが待つ場所に戻るとそこには、既にキリトと赤ずきんのような赤マントのプレイヤーが待っていた。
「遅いぞ、シキ」
「悪いって、だけど俺的にはかなり早く終わらせたつもりだったんだが……」
赤マントのプレイヤーの名前は、視界右上のHPバーに表示される名前を見たところ
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