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リリカルなのは 3人の想い
5話 林道 五也side
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こそ通じるブラックジョークだった。
 その証拠に理解できないのかなのはの方は首を傾げている。

「そ、それよりも! さっきのって一体何なの!?」

 話を逸らすのは失敗か。

「ああ、それについては俺も聞きたい、なにせ―――」

 それもそうだろうやった本人が一番俺たちの状況を理解してただろうしな。

「全身至るとこに打撲に擦り傷、特に肩の脱臼に足の捻挫、とてもじゃないが動けるはず無かったんだがな」

 ちょっと待て。

「あんたどんだけ容赦なく攻撃してきたんだよ!」

「いや、その………妹をいじめられてると思ってつい……な」

「な、じゃねえよ!」

 何この人どこの戦闘民族だよ。

「因みに何で俺は体が動かないんすか?」

「大体はこいつと同じなんだが、両股関節の脱臼とこいつが偶然にも顔面に決めたエルボーで出た鼻血のせいで血が足りないんじゃないか」

「漫画でもめったに見ない奇妙な光景になってるじゃないっすか!」

 少し俺のせいが入ってるとこに多少罪悪感を覚えないでもない。
 なので治してやることにするか。

「しょうがない、聖なる活力、此処へ ファーストエイド」

 武藤の体が一瞬光に包まれ、すぐに消える。
 それを高町兄となのはがやはり少し驚いた顔をしている。

「一体それは何なんだ」

 詰問口調の高町兄、おそらく妹に危害を加える力かどうかが心配なのだろう。

「魔法だシスコン」

「魔法!?」

抗議しようとシスコンが口を開くより早く、なのはが興奮したように口を開く。
 そのせいでシスコンは口をパクパクとさせるだけに終わった。

「あ、あの! お願いがあるの!」

 なのはが興奮したままこちらに近づいてくる。
 まあお願いの内容は大体予想がつくが。

「父親を治して欲しいんだろ」

「え? そ、そうだけど何でわかったの?」

 出鼻をくじかれ、なのはは戸惑っているが普通に予想がつくだろうに。

「何でわかったかは考えたから、そしてそのお願いは別に聞いてもいい」

「本当!? だったら今から」

「今から行っても面会できないんじゃないか?」

 外は相変わらず暗く、少なくとも家族でもない俺が入ることができるかは怪しいだろう。

「なんにせよ日を改めた方がいいだろう」

「あうぅ……」

 なのはが明らかに凹んだのを見てシスコンが殺気をビシバシととばしてくる。

「どうせ明日も会うんだその時でいいだろ」

「………うん」

 理解はしたが納得はしていないのだろう、不承不承といった感じで頷いた。

「あの〜、すまねえんすけど」

 今まで何故か沈黙を守っていた武藤が情けない声を上げた。

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