5話 林道 五也side
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アイテム
→逃げる(連打)
選択するものは決まりきっていた。
「さらば!」
「あ! こら待て!!」
全力で脱兎のごとく走り出す。
だが悲しいことに現状の俺の体は小学生ぐらい、対して相手は少なくとも高校以上の体格をしてなんとも理想的なフォームで距離を詰めてくる。
夜道で必死に逃げる俺とガンガン距離を詰めてくる不審者、悪夢だ明らかに普通の子供なら泣くだろう。
よって俺は最後の手段に移る。
「おーまーわーりさーん!! 助けてーーーー!! 変態に襲われるーーーーーー!!」
「なんて事を叫んでるんだあ!!」
わかった事は国家権力なんて当てにならないという事だけだった。
▼▼
首根っこを掴まれて来た道を引き返す。
暴力魔がさっきの悲鳴で出てきた近隣の住民に見つからないように、かなりの速度で走ったせいで逃げ出す暇もなく、あっという間についさっき逃げ出したばかりの家に来ることになった。
「ああ、俺もここまでか……」
「人聞きの悪いことを言うな!」
軽口を叩き合いながら、といっても相手にその気はないだろうが。
首根っこを掴まれたまま二階へと移動する。
「お兄ちゃん、さっきから騒がしいけど……って何してるの?」
足音でも聞こえたのか、ちょうど部屋から先程の女性が扉を開け顔を出した。 何というのはやはりこの場合、俺の事を首根っこを掴んで運んでいるという現状についてだろう。
「助けて下さい、この人児童暴行に加え誘拐の現行犯です」
「お兄ちゃん……流石にもうフォローしきれないかも」
「誰が誘拐犯か! 美由紀もそんな話信じるなよ!」
「とか何とか言いつつ暴行は否定しないんだ」
「うっ……そ、それは………」
自覚はあるのだろうか、誘拐犯は俺の言葉にたじろいだ。
「だ、大丈夫だよお兄ちゃん、自覚があるだけましだから」
女性がフォローを入れようとしたが明らかに、失敗していると思うのは俺だけだろうか?
案の定誘拐犯は肩を落とし、凹んだ。
「そ、そうか……」
しょうがない慰めてやるか。
「元気出せよ、不審者」
「わざとか! なあわざとなんだよな!?」
せっかく慰めたというのに、何故か急に声を荒げた不審者はそのまま一つの扉を開けると中に入っていった。
そこは先程窓から逃げ出した部屋で、中にはなのはと寝たままの武藤がいる。
「あっ! 五也君!」
「戻ってきたっすね」
2人はこちらを見てそれぞれ声をかけてくる。
「拉致られた」
「相手は北っすか」
「物騒な事言ってるんじゃない!」
見た目は子供でも中身は男子高校生だから
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