−学園祭−
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スプレなどは出来はしなかった。
それはレイにもすぐ分かったようで、(こう見えて頭は良い)少し残念そうな表情をしたが、すぐにいつもの明るい表情に戻って笑った。
「じゃ、私だけでも着替えて来るね!」
そう言い残し、レイがオシリス・レッド寮の階段を登って行くと……
「……ま、待ちなさい!」
……明日香が追いかけていった。
コスプレしないんじゃ無かったのか?……まあ、良いけどさ。
それからしばらく十代VSブラック・マジシャン・ガールを眺めていると、階段を降りてくる音が響いた。
「遊矢様!」
……察するに、先に来たのはレイのようだ。
「様は止めろ……って、やっぱりお前はそれか」
「うん! このカードは私自身みたいなものだからね!」
レイがコスプレをする事にしたモンスターは、当然、《恋する乙女》だった。
白いレースのドレスが、普段ボーイッシュなレイにはいつもと違う雰囲気を醸し出している。
「似合ってるな、レイ」
「えへへ……」
……はて、そういや何か忘れているような……?
「ゆ、ゆう……」
消え入るような声に反応して横を見ると……明日香が、いた。
当然コスプレしているのだが、そのコスプレは明日香の主力モンスター、《サイバー・エンジェル―弁天―》だった。
和服と全身タイツを一体化させたような、いつもの制服とは違う服に身を包み、恥ずかしそうに体を隠す明日香は、その……可愛
「ねえ遊矢様! 一緒にデュエルしよ!」
明日香に対する俺の思考を中断させ、レイが俺の手を引っ張って来た。
「お、おい! ちょっと待てレイ! 俺は今デュエルは……」
「大丈夫大丈夫! 私がドローするからさ!」
松葉杖である俺は、引っ張ってくるレイに抵抗出来ずにデュエル場に入ってしまった。
ちょうど十代とブラック・マジシャン・ガールのデュエルが終わり、次の対戦相手を探している時に、だ。
『デュエル場に現れたのは、オベリスク・ブルーの黒崎遊矢率いる三人組ッス! 誰かあのリア充を爆発させるデュエリストはいないッスかーッ!』
すっかり司会者役が板についた翔が、マイクパフォーマンスで生徒たちに呼びかけ、その横でXYZ―ドラゴンキャノンに扮した万丈目がこちらを睨んでいるのを見て、もう逃げられないのだと悟る。
……ん? 三人?
「ドローは私がするわ……別にレイちゃんに対抗してるわけじゃないけど!」
横を見れば、サイバー・エンジェル―弁天―……もとい、明日香がデュエルディスクを俺の腕に付けていた。
確かに、レイじゃ身長のぶんドローするのは難しいかも知れないな……
「よし、頼んだ」
「ええ、任せて」
明日香はいつも通り、力強く頷いて
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