−学園祭−
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て今日は――学園祭なのだから。
「あ、遊矢様!」
保健室から出て来た俺を元気良く出迎えてくれた声は、幼なじみ――早乙女レイのものだった。
どうやら、俺を驚かそうと学園祭の前日に来ていたようだったが、高田の来襲によりそのドッキリは失敗したようだ。
「……様は止めろ、レイ」
いつだったからかは忘れたが、すっかり恒例の挨拶を交えて俺たちは歩きだした。
それとなく、俺の身体を支えてくれるのがありがたい。
七星門の鍵の守護者、加えて松葉杖の俺がオベリスク・ブルーの喫茶店を手伝えるはずも無く、とりあえず俺たちはオシリス・レッドの出し物に向かった。
「コスプレデュエル大会って、どんなことやるのかな?」
「……まったく予想がつかないな」
何故かと言われれば、なんて事はない。
ただ、どんなことをやっているのか予想がつかないからだ。
慣れぬ松葉杖での、学園から遠いオシリス・レッドへの移動は大変だったが、レイのおかげでなんとかたどり着くことが出来た。
「……っと。ありがとな、レイ」
「これぐらい、何ともないよ! ……それよりさ、やってるみたいだよ、コスプレデュエル!」
朗らかに笑うレイが指差す先には、多種多様なデュエルモンスターズのモンスターたちがいた。
正確には、デュエルモンスターズのモンスターたちの格好をした生徒、だが、皆楽しそうだ。
中央のデュエル場では、何故かコスプレをしていない十代と、モンスターそっくりのブラック・マジシャン・ガールがデュエルをしていた。
……あんなそっくりな生徒、このアカデミアにいたかな……?
「……まあ良いか。レイ、俺たちもせっかくだからコスプレしようぜ?」
「うん!」
コスプレ用の衣装は寮にあるらしいので、(若干の殺気を感じながら)俺たちはオシリス・レッド寮に行くと、コスプレせずに壁に寄りかかっている明日香がいた。
「よ、明日香」
「遊矢!? 体は大丈夫なの?」
俺の姿を見るなり、明日香は俺の元に駆け寄りつつ、身を案じてくれた。
その後に俺の身体を支えるレイを見て、若干眉をひそめたものの、すぐに心配そうな表情に戻った。
「見ての通りさ。……明日香は、コスプレしないのか?」
松葉杖を指して、『見ての通り』だということを示し、気になることを聞いた。
「わ、私はこういうのは……その……恥ずかしくて……」
「じゃ、二人でコスプレして来よ、遊矢様!」
レイが明日香と火花を散らしながらも俺の腕をとり、向かおうとするが……
「様は止めろ……じゃなくて、やっぱ無理だ、レイ。松葉杖をついたモンスターなんていないっての」
失念していたが、俺は今日松葉杖。
どうやってもコ
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