−学園祭−
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全く、病弱でも無いのにすっかり保健室に慣れてしまった……
なんとなく嫌な気分になり、つい肩を落としてため息をついた。
――高田との闇のデュエルから1日がたった今日。
高田が闇のデュエルで敗れた影響により、デュエルアカデミアを襲った人形が消え去ったのか、高田とのデュエルで気絶していた俺は駆けつけた十代や万丈目、クロノス教諭に救助された。
高田に敗れ人質になっていた明日香、三沢、翔、亮は目立った外傷も無く、体に異常も無いとのことで、もうすでに保健室からは解放されていた。
喜ばしい限りだ。
次は高田だが……もう、このデュエルアカデミアにはいない。
俺と同じく、気絶していたところを駆けつけた十代たちに保護された高田は、
またも俺と同じく保健室に運び込まれたのだが……闇のデュエルの影響だろうか、傷だらけの身体といいやせ細った身体といい、このデュエルアカデミアの医療技術では治しようが無かったため、本土に強制送還されたのだ。
……別に、ここの医療技術が悪いわけじゃない。
ここの医療技術が悪いならば、俺はとっくの昔に死んでいるか、高田と同じく本土へ強制送還されているだろう。
……つまり、高田の怪我はそれほどの怪我だったということだ。
――思えば、高田もただの被害者だったのかもしれない。
廃寮から離れた時、制服は元々の青色に戻り、デッキも【インフェルニティ】から俺との昇格デュエルにて使った【カオス・ネクロマンサー】に戻っていたという。
廃寮に潜む黒い泡に操られ、過酷な闇のデュエルに身を投じられながらも、最後には自らの手で地縛神を操って、黒い泡の温床たる廃寮を破壊した……というのは考えすぎか。
とにかく、今度会った時には、俺はあいつに謝らなければならない……原因は、俺なのだから。
そして、高田がセブンスターズとして現れたことで、また一つ疑問が生まれた。
すなわち、『何故高田はセブンスターズとなったのか』
昇格デュエルで高田が島を出て行った(と、思われた)時、目撃者であるオシリス・レッドの寮長、大徳寺先生は、『万丈目とは別の方向に船で向かっていった』と言ったらしい。
だが、肝心の万丈目は「知らん」とのことだったので、これは妙だと、十代たちは大徳寺先生の部屋に行ったのだが……部屋は、もぬけの空だったそうだ。
大徳寺先生の失踪。
これが何を意味するかは、まだ分からなかった。
最後になってしまったが、俺――黒崎遊矢のことも話そうか。
結論から言うと、無事だ。
もう何度目かに渡る闇のデュエルにて、すっかり耐性がついてしまったのか、もちろん五体満足とはいかないものの、松葉杖を使えば歩けるようにはなっていた。
鮎川先生が言うには、まだ休んでいて欲しいらしいが、今日は許してくれた。
なんて言ったっ
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