第七話
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…で?」
「それからいろいろあったんだけどさ……それがもとなのかな?今の総司令官に会ったのはそのあと」
「……」
「僕は総司令官に助けられてね。そのこともあってこの軍に入隊した。だから……総司令官の壁になるものは……排除するんだよ」
「……由莉香もか」
「彼女も障害だ。排除するにきまっているさ」
クルトは澄ました顔でそう言った。
軍を思って行動する。クルトの考え方は確かに正論だ。俊司にもそれがわからないわけでもなかった。
だが、それでも彼を許すことはできない。幻想郷を支配しようとするものでもあり、幼馴染の仇でもある。だからこそ、彼はいまここにいる。
情けは無用だった。
「……やっぱり許せないな」
「別に分からなくてもいいよ?じゃあ、はじめようか!」
「絶対……ぶっ殺す!」
そう叫んだあと、俊司はある物を発動させた。
変換『感情の真骨頂』
「憎しみの感情を糧に!!」
「憎しみ……!!」
クルトが呟いた瞬間、目の前にいた少年はすでにいなくなっていた。
辺りを見渡すが、少年どころか人影すら見当たらない。クルトの顔から、徐々に焦りの色が見え始めていた。
そんな彼のおなかに、猛スピードで拳が突っ込んできていたにもかかわらず。
「うっ……ごふっ!?」
次の瞬間、クルトは血を吐きながら大きく吹き飛ばされていた。
何か衝撃が走りぬけただけで何があったか覚えていない。クルトの思考は一瞬吹き飛びそうになっていた。
「なにが……!!」
起き上がった瞬間、すでに少年はクルトの目の前まできていた。すぐに回避行動を取ろうとするが、さっきの一撃が体中に負担をかける。
そのままなすすべもなく、クルトは再び吹き飛ばされた。
「がはっ!?」
「これはさっきのお返し……これで終わらせるかよ!!」
俊司はそう言いながら再び地面をける。
すると、ものの五秒もかからないうちに、吹き飛ばされたクルトのそばまでやってきていた。
(これが憎しみを具現化した力か……)
「もらった!」
「三つ目を起動!!」
「なっ!?」
手のひらに仕込んでいた設置魔法を解放すると、クルトは一気に加速して俊司から距離を取った。
「ちっまだまだ!!」
俊司は再び距離を詰めると、そのままの勢いでクルトを殴ろうとする。
だが、その一撃をクルトは片手で受け止めていた。
「!?」
「力は……五分五分と言ったところだね」
そう言
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