足りない物
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っていうのにか……」
ピースメーカーを持つ手が汗で湿ってくる。額からは一筋の汗
ここまで悪い状況はSAOでもそうはなかった。しかもかかっているのは自分の命ではない
「なにを言ってるんだい?命をかけた戦いなんて当たり前じゃないか。まあ、それが君の命じゃないのが少々残念だけど……」
いい具合に歪んでるな、おまえは!
「まあ、ステルベン……死銃は少々遠いところから狙撃しているからタイムリミットは一分ってところかな?」
それは大体であって確実じゃない。どれだけ正確にレオンが死銃の現在位置を把握しているかは知らないが、あながち間違ってないと思う
「さて……無駄話もこの辺にしておかないと君が可哀想だ。じゃあ、始めようか。命をかけた狂宴を……」
そう言うと軽く狙撃銃を振り、ニヤリと笑った
レオンの武器は狙撃銃。俺の武器はピースメーカー二丁
ピースメーカーは正直威力が低すぎて短期決戦には向かない……が、この戦い。何もレオンを倒すだけが勝利条件じゃない。シノンを回収し、撤収することでも俺の勝ちである。ピースメーカーは足止めとしては速射ができる分上等だ
加えてあいつがSAO生還者というのもこの場合はプラスとなる
「じゃあ、行くよぉぉ!!」
凄まじい勢いで踏み込み、突きを放ってくる
「槍!?」
その動きはまさしく槍。しかも熟練者のような無駄のない高速の突き
横に避けつつ弾をレオンの銃剣にあて動きを鈍らせる
「無駄無駄ァ!!」
踏み込んだ足を軸に一回転し、そのまま狙撃銃を凪いでくる
槍より太い鉄の塊は十分脅威だ
俺はそれをピースメーカーをクロスさせ、衝撃を吸収するように受けとめるが、遠心力がかかっている狙撃銃を完全には受けとめきれず足が浮いた
「ガッ……」
跳びながらも銃弾を放ち、追撃を押さえ込む。そして受け身をとりつつ着地すると、すぐに地面を蹴って前へ。レオンの武器は槍の前に狙撃銃なのだ。それこそ距離を取られれば致命的だ
「はぁぁぁ!!」
ピースメーカーの持ち方を変える。中指を引き金に引っかけ、おもいっきり握る
そして、そのままレオンに向けて突き出した
同じタイミングでレオンも銃剣を突き出している
そして、俺のピースメーカーをナックルの代わりに装備した拳とレオンの狙撃銃に銃剣をつけた槍がぶつかり合う
もちろん本来そのような使い方をするわけがないピースメーカーの外枠が耐え切れるわけがなく、深々と銃剣が刺さってしまう。が、俺の生身の拳には届かなかった
そして爆発
すまない……
この世界で短い間だったが共に戦った相棒の片割れ。その最後に心の中で詫びを入れる
そんな心の中とは関係なく体の動きは止めない
爆発による衝撃で弾かれた左
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