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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十幕 「全てはこの一歩から」
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い空気が漂っていた。あっという間かつ予想外の事が起こりすぎためか、全員がいまだに戸惑いを隠せない。モニターの先には、あの後エネルギー切れで真っ逆さまに落下して地表に激突し意識を失ったユウと、同じくエネルギー切れで動けないセシリアの姿が映っていた。
千冬はため息をつく。“投桃報李”のバリアは元はと言えばシールドエネルギーを攻撃用に転換したものだ。つまり、殴れば殴るほど自分のエネルギーも少しずつ削っている。ある意味自滅技である。とはいえ、他に有効打もなかったユウにとってはそれしか出来る戦法がなかったのだろう。勝敗を分けたのはBT兵器を避け切れなかったことと最初の体当たりで突撃を警戒されてしまったこと。殴り合いを始めた時点であと少しシールドエネルギーがあれば結果は変わっていたのだが・・・無念。
沈黙に包まれるアリーナ内。困った3人はとりあえ千冬の方を見やる。
「通常ルールなら少しでも先にエネルギーが尽きたほうの勝ちだ。だが、物事には例外がある・・・例えば――」
『この勝負、引き分けですわ・・・いえ、むしろ心情的には敗北感すらありますが』
「――勝者側が試合結果に不服を申し立てた時だ。今回のようにな」
= = =
「全く、もう何もかも馬鹿馬鹿しく思えてきましたわ・・・」
けほけほと軽く咳をしながら、視線の先――奇しくも一夏と同じ体制で突っ伏したまま動かないユウを見つめる。
正直な所、セシリアは最初から女尊男卑的な思想を持ち合わせてはいなかった。にも拘らずクラスで二人にあんなことを言ったのは、単純に男性二人が実力的に代表に相応しくないと思ったこと。そして二人の器量がどんなものかを試してみようと思ったためである。
結果、二人はただの臆病者ではないことを見せつけた。そしてこの試合でも、たった1週間で自分相手に此処まで肉薄するほどの底力を見せつけた。・・・正直、ここまで無茶苦茶するとは思わなかったが。
素人ながらセンスと剣技で粘り、最後まで食い下がった織斑一夏。
そして、あわや敗北というところまで持って行かれた残間結章。
「
BT偏光制御射撃
(
フレキシブル
)
も
強襲仕様
(
アサルトパック
)
もわざわざ封じず素直に使ってもよかったかしら・・・」
流石に初心者相手に全力を出すのは気が引けたため幾つかの装備と技術を封印して挑んだのだが、これでは手加減する方が失礼だったかもしれない。
「・・・ふふっ、貴方達の真っ直ぐさがちょっと羨ましいわ」
こんな馬鹿正直で滅茶苦茶なクラスメートが居るのなら、
IS学園
(
ここ
)
では退屈することなど無いだろう。
少なくともあのつまらない母国や空っぽの実家よりは。
かくしてクラス代表決定戦は良くも悪くも一夏とユウの名を改めて学園中に轟かせたのであ
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