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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十幕 「全てはこの一歩から」
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前回のあらすじ:投桃報李・・・親しいものに贈物をあげれば相手も贈物を返してくる。施した徳には相手も報いるという意味。


突然だが、風花はPICの出力配分が通常のISと全く違う。噴射加速というふざけた加速からパイロットを守るため、本来ISを浮かせたりする分に回される出力が多くパイロット保護用に回されて、それでもパイロットにかかる負担は通常のIS以上である。しかも直進用に作られたため機体にスラスターそのものが殆どついていない。
結論、噴射加速以外のすべての空中動作が極端に遅い。
となれば、ユウの取れる戦術はもはや一つしかありえない。すなわち、突撃である。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「・・・男性って本当に突貫が好きですわ・・・ねっ!!」

アリーナに響くユウの咆哮に、すこし呆れたようにセシリアが応え、ライフル+ビットの計五つの砲身が同時にこちらを狙う。掠めた程度ではびくともしないことに気付いたのか、確実に当たる正面からの一斉集中射撃を仕掛けてきた。流石にこれの直撃を受けたらまずい。既にシールドエネルギーは半分を切っている。
・・・だから、防がせてもらう。

「“鳴動”、エネルギーチャージ完了!放てぇ!!」

アンロックユニットの装甲がスライドし、中から既にチャージを終えた荷電粒子砲の膨大なエネルギーを躊躇いなく解き放つ。冷却系が唸りを上げ、その名の如く大気を震わせながら放たれた巨大な桃色の閃光がレーザーごとブルー・ティアーズを襲う。

「なるほど、シールド内蔵武器でしたか・・・しかしっ!!」
「避けるのは容易い・・・でしょ?」
「!?」

すかさずビットと共に粒子砲を避けたセシリアさんとすれ違いざまに目が合う。確かにこの機体は一度空を飛ぶとほぼ直進しかできない。しかし、その事実を変える方法がたった一つだけある。
それが、この機体唯一の第3世代兵器。だが、これがどんなものか理屈では分かっていても実際に使ったことのない僕にとって、これは一種の博打だった。失敗すればおそらく敗北は必至。成功したとして、すべてうまくいくとは限らない。
この機体の第3世代兵器を使いこなせるかどうか・・・勝負!

「“投桃報李”、発動!!」

瞬間、バーニアで方向転換した機体の足の直線上に空間の歪みが現れる。ユウはそこに向けて思いっきりISの足を延ばした。
一歩。この一歩が逆転の始まりで、そして僕の戦いの本当の始まりだ!

ダンッッ!!

「・・・これは!?」
「賭けに・・・勝った!」

風花が、空を“踏みしめた”。精一杯ばねを利かせた僕と風花は、スラスターを吹かしながらも方向転換。次々に空を踏みしめながらブルー・ティアーズに肉薄する。
まるでアスレチックの様に飛び跳ねるその姿は異様な光景だった。咄嗟にセシリア
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