暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第三章
そして彼の矯正が始まる。
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 今日はいつもと違う道を歩いていた。…すでに一度帰宅したが、家の中には誰もいなかったのだ。もちろん、さも当然のように書き置きなどない。玄関の鍵は閉めてあったが、朝のうちにリビングの鍵は開けておいたのが幸いした。そのおかげで急な家族旅行…って俺は家族じゃねぇのかよ(笑、えない)にも迅速に対応できる。……今だけはセ○ムしてなくて良かったー。セコ○してたら絶対入れん。

 そして、俺がなぜ家から出て、コンビニへ向かっているのかと言うと…、なんと! 単なる暇潰しである。なんと言うことだ、今までの説明さえ無価値で無意味で時間の無駄だったのだ! 自分で言っといてあれだが、っアホくさ…。

 ――まったくクマさんじゃないんだから。
 俺はそう呟くと人目にも気にされず、大きく伸びをする。
「うんっ、今日は疲れたんだなぁ……。由比ヶ浜さん、へへっ、今もクッキー作ってんのかなぁ?…… それにしても気になる男って誰なんだろう? 羨ましいな。うっかりポッケから血のついたナイフが滑り落ちないか、心配だなぁ」
 ……なーんて欠伸(あくび)をしながら(うそぶ)いてしまうくらいには羨ましい。……ん? ってことは全然羨ましくないんじゃ……。

「いやいや、とっても羨ましいね。……お、千葉公園前のコンビニ発見伝!」 
 俺はよく行く公園の前にある、まるで電波な女の子と青春謳歌したいリア充、元中二病の男子高校生と現中二病の女子高生が立ち寄りそうな出で立ちのコンビニに入っていく。これまた、さも当然のように自動ドアを強引にこじ開けて……。ちなみに異常に固いぞ!

「あ〜! もしかして桐山くん? どーして『バールのような物』を握りしめて満足そうに微笑んで……ってドアが軽くへこんでるよ!なぜ!?」
「噂をすれば何とやら、だね。うーん、さぁ俺にはわからないなぁ。傷の痕跡から、このへこみは偶然によるものではなく、ついさっき人為的につけられたモノだと予想される。さらに、このコンビニには今 俺と君の二人しかいない。しかも俺の手には傷の痕跡とぴったりフィットする『バールのような物』が……っ! 店員のやろぉ…」
「ええぇっ!? 急に店員さんが犯人に!」
 今の流れだと桐山くんがやったんじゃないの!? と、由比ヶ浜さんは驚嘆の声をあげる。

「でさ、どうしてコンビニなんかに?」
 俺は、家でクッキーでも作ってるのかな、と思っていたので少々気になってしまい、由比ヶ浜さんに聞いてみることにした。
 由比ヶ浜さんは後ろをちら、と振り返った(のち)、答える。

「ああ、あのね。…今日はクッキーを作って明日ヒッキーと雪ノ下さんにあげようかと思ったんだけど…えへへ、材料なんか家になくって…」
「だからコンビニに?」
「うん、それにサブレの散歩もあるし…」



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