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トーゴの異世界無双
第百二十話 すっげえ楽しかったぞミラニ!
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くなり、代わりに大きなクレーターが出来上がっていた。
 それを見て、ゾッとする。
 もし自分があの中心にいたらと思うと背筋が凍る。
 彼女はその中心を見て何かを発見する。
 そこには、黒髪の少年が立っていた。






 ミラニはフラフラしながらも立ち上がる。
 あれだけの攻撃をして、上級魔法まで使用した。
 その上、先程の闘悟の攻撃にも巻き込まれた。
 もう体力も魔力もガス欠寸前だった。
 だが一言、どうしても彼に聞いておきたいことがあった。
 ミラニはクレーターの中心に近づくと闘悟に向けて言葉を放つ。
 闘悟もミラニに気づいたようで視線を向ける。


「トーゴ貴様……」
「何だ?」


 何となく顔をしかめ、言い辛そうにする。
 闘悟は黙って彼女の顔を見つめている。
 そして、ミラニは覚悟を決めたかのように口を開く。


「…………私はどうだった?」


 彼女が聞きたいことはこれだった。
 自分が本当に強くなれたのか、是非問いたかったのだ。
 すると闘悟は笑みを浮かべて言う。


「さすがは団長だ。すっげえ楽しかったぞ!」


 闘悟の破願(はがん)した表情を見て、ミラニは一瞬驚いたような顔つきをしたが、すぐに柔らかく微笑む。


「そうか……うん、私も楽しかった」


 そして彼女は限界が来たようにその場に座り込んで一言だけ言う。


「私の負けだ」


 闘悟の勝利が決まった瞬間だった。


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