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トーゴの異世界無双
第百二十話 すっげえ楽しかったぞミラニ!
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耐えられそうに無かった。


「いっ……いい……」


 闘悟は魔力を徐々に解放していく。


(む……っ!?)


 闘悟の魔力が異常に高まっていくことをミラニは悟る。
 すると彼女は歯を噛み締め、目を細める。


「いい……いい加減にしやがれぇっ!!!」


 とんでもない魔力が放たれ、上下の魔法陣と共に風も吹き飛ばす。
 その魔力量は五パーセントほど解放していた。
 勢いよく立ち上がり、ミラニがいた方向を見つめる。
 だがそこには誰もいない。


 あれ? ミラニはどこ行った?
 すると観客から「あそこだ!」や「上だ!」などが聞こえてくる。
 その言葉に従い上を見上げる。
 そこには確かに彼女がいた。
 ただ彼女は剣に手を掛けていた。


「『斬(ざん)・一閃(いっせん)』っ!」


 この技はセイラ戦で見せたミラニのオリジナル剣技だ。
 その威力は折り紙つきで、セイラを場外に吹き飛ばすほどの威力を持っている。


「なっ!?」


 闘悟は目前まで迫ってくるミラニを見つめていた。
 そして、フッと笑った。
 ホントにすげえ。
 ホントに成長した。


 ここまでが恐らく彼女の立てた戦術だったのだろう。
 素早く動き相手を翻弄(ほんろう)しつつ、下手な攻撃は加えず、上級魔法の詠唱時間を稼ぐ。
 そして、上級魔法で相手を攻撃し、トドメとして自分の最大の剣技を叩き込む。
 もちろん、ほとんどの場合、上級魔法の時点で、相手を倒せるだろう。
 しかし相手は闘悟だ。
 破られる可能性を考え、その先をしっかりと考えていた。
 だから彼女は今、空にいる。


 その流れるような連撃は、美しくもある。
 本来なら上級魔法を決めた時点で勝負は決するのが普通だが、手は緩(ゆる)めず、自分の最高戦力をフルに発揮する。
 その組み立て、タイミング、威力共に申し分無い。
 まさに今の彼女から紡(つむ)がれた最善である。
 だからこそ、闘悟は素直に彼女を尊敬できた。
 自分ではこうも簡単に相手を誘導することなどできない。
 きっと、自分との闘いを頭の中で何度も繰り返しては修正を加えてきたことが分かる。
 その勤勉なる努力が、この一連の動きには濃縮されていた。


「……すげえよミラニ」


 ああ、ホントにビックリだ。
 ここまでやられるとは思っていなかった。
 正直、もっと早く終わると思っていた。
 間違いなく、オレが今まで闘ってきた中で最高の闘いだ!
 だからこそ、オレは……。
 向かって来るミラニに、キッと視線をぶつける。


「お前の闘いに応えるっ!」


 闘悟は間違いなく十パーセントの魔力を解放した。
 ミ
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