第百二十話 すっげえ楽しかったぞミラニ!
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マジかよっ!!!」
容赦無く無数の刃が闘悟を襲う。
「痛っ!」
徐々にその刃が体を傷つけていく。
闘悟は防御をしながら、刃の雨を凌(しの)ぐ。
地面の上なら避けることはできるが、今は力の効かない空にいる。
そのせいでできることは身を縮めて防御に徹することだけだった。
もう服もボロボロになり、切り傷が無数に増えていく。
しばらく痛みに耐えていたら、上空の魔方陣が光り、刃の雨が止んだ。
ついに終わったと思ってホッとしてたら、今度は下から吹く風が回転し始めた。
まるで竜巻の中にいるみたいだ。
もちろんそれだけでなく、上からも同じような竜巻が襲って来た。
だが一つだけ違うことがある。
それは逆回転だということだ。
そのため、無作為(むさくい)に吹き荒れる嵐により、闘悟の体が悲鳴を上げる。
突然左腕がボキッと音と共に、あらぬ方向に曲がる。
「痛ってぇっ!」
泣きそうなほどの苦痛に顔を歪める。
このままだと、体がバラバラになるかもしれない。
竜巻の持つ力の凄まじさを、強制的に理解させられた。
(風がこんだけの凶器になるなんてな……っ!?)
歯を食いしばり体を持って行かれないように全力で身を屈める。
すると、パッと風が嘘のように消える。
浮遊感が無くなり、地面までの落下感が襲う。
だが今度こそ終わったのかと思って安心すると、下から先程とは比べものにならない強風が吹く。
「うぷっ!」
そのせいで体が上空高くまで飛ばされる。
ま、まだ終わらねえのかよっ!
『終わらない嵐(テンペスト)』……それは風の属性魔法の上級に位置し、一度受ければ、本来なら文字通り木端微塵(こっぱみじん)にされるほどの威力を持つ。
高く飛ばされた闘悟は、上空にある魔法陣の傍まで飛ばされていた。
すると今度はその上空の魔法陣から、ミラニが先程放った『風の弾丸(ウィンドブレッド)』のような風の塊が飛ばされた。
無論その威力は弾丸とは呼べないほどの強力なものだ。
風の塊を受け、物凄い勢いで舞台に叩きつけられる。
「ぐうぅっ!!!」
闘悟はまるでプレス機に押されているかのような衝撃を受ける。
少しでも気を緩めれば、肉体など簡単に潰されるほどの圧力を感じる。
先程折れた左腕がとんでもなく痛い。
ミシミシという骨が軋(きし)む音が聞こえてくる。
(……っの野郎……っ!)
あまりの圧力で声が出しにくい。
恐らく、この魔法は、ミラニの魔力が無くなるまで続くのだと判断する。
これほどの魔法なので、そう長くは続かないとは思うが、これ以上は体の痛みに
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