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トーゴの異世界無双
第百十九話 ホント強くなりやがった
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たんじゃねえのか?」


 動きに無駄が無かったので、実践はもちろんのこと、頭の中でも何度もシミュレーションしたのは一目瞭然(りょうぜん)だ。


「貴様相手だ。手緩(てぬる)い修練などできるか」
「はは、それは嬉しいね」


 すると、ミラニはキッと、目を細めて見つめてくる。
 そんな彼女の雰囲気に、違いを感じた闘悟も目を細める。


 これは……何か面白そうなことやってきそうだな。
 闘悟は彼女が、次にどんな攻撃をしてくるのかワクワクしていた。
 ミラニは流れを掴み、このままその流れに乗って自分の全力を出そうと考えていたのだ。
 雰囲気が変わったのは、そんな彼女の覚悟を感じ取ったからだった。


(次だ……次で私が奴にどこまで近づけたかが分かる!)


 ミラニは力を込めて拳を作る。


「では行くぞトーゴ!」


 今度はそのまま突っ込んでくる。
 闘悟は身構え、魔力を解放し、いつでも対応できるようにする。
 すると、目前まで来ていたミラニが、突然真横に跳ぶ。
 それを目で追うが、今度は反対方向へ移動する。
 その動きは『縮地』を使っているので、観客の中には見えていない者もいる。
 闘悟はその動きを見据え、見失わないようにする。



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