第百十九話 ホント強くなりやがった
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いく。
だがその合間を縫って、ミラニは素早く間を詰める。
剣を抜き斬りつけるが、闘悟はそれを予想していたのか後ろへ大きく跳ぶ。
だがそこでミラニは笑った。
「これならどうだ! 『風の弾丸(ウィンドブレッド)』!」
ミラニの手から発射された風の塊が、闘悟の向かって行く。
普段なら軽く避けられるのだが、今は無理だった。
何故なら後ろへ跳んだせいで、まだ彼は宙に浮いているのだ。
そ、そうか! ミラニの奴、これを狙って!?
闘悟の思った通り、ミラニは闘悟が自分の接近に気づいて後ろへ跳ぶことを予想していた。
だから、その跳んでいる間、何とかして攻撃を加えられないかと考えた。
後ろへ跳ばせておいて、着地する間に攻撃する。
そうすれば逃げることができず、確実に攻撃がヒットする。
「くっ! さっきの仕返しかよ!」
闘悟は咄嗟(とっさ)に両腕を交差させてガードの構えをする。
彼女の思惑通り、『風の弾丸(ウィンドブレッド)』は闘悟に命中し、彼は大きく吹き飛ばされる。
舞台の上を盛大に転がっていく。
「す、す、すっごぉ〜い! 何とぉ! ファーストヒットはミラニ選手だぁ!」
モアの実況が挟むと、観客達も増々盛り上がりを見せる。
先程は静まり返っていたのに、今は間違いなく気温を上昇させるほどの熱気を生んでいる。
「今のはミラニさんが上手かったですね」
フレンシアも彼女を褒める。
モアも何度も頷き肯定する。
先程闘悟が失敗した攻撃を逆に返して成功させてしまった。
虚を突かれた闘悟はまんまとミラニの攻撃を受けてしまった。
「はい! 試合が始まって、素晴らしい攻防が続いていましたが、どうやら流れはミラニ選手が掴んだみたいです!」
「ですが、トーゴくんは宙に浮かんでいる状態で攻撃を受けたので、あまりダメージは期待できませんね」
それにしっかりと防御もしていたみたいですと続けて言うと、モアもそれに同調する。
「とにかく、これからの展開が面白くなりそうです!」
ミラニは未だ転がって起き上がらない闘悟を見て言葉を出す。
「おい、とっとと起きろ! それくらい貴様なら、風に撫でられた程度だろう!」
すると、闘悟はそのままの状態で返答する。
「いやいや、かなりビックリしたっての」
闘悟は体のバネを使って跳ね起きる。
「ふぅ、まさかそんな連携で来るとはな」
魔法→剣→魔法。
しかもその切り替えのタイミングが抜群だった。
威力はいまいちだったが、間違いなく流れを掴むための方法では良策(りょうさく)だった。
「ずいぶん修練し
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