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トーゴの異世界無双
第百十八話 最高の再戦になりそうだな
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ら少し困るぞ?


「何と言っても、今大会一押しの注目選手同士の対決です! 私も手に汗握ってます!」


 いや、知らんがな。
 モアの感想は正直どうでも良かった。
 隣にいるフレンシアも、目をキラキラさせて好奇心溢れる瞳を闘悟に向けている。
 毎回興味深い試合をする闘悟の闘いを、その両眼に焼き付けておこうとしているのだろう。
 今度もまた、とてもそそられる試合をするだろうと確信しているに違いない。


 ふと観客席の方を見ると、カイバ親子の姿も見えた。
 向こうもこちらの視線に気づいたようで手を振ってきた。
 どうやら闘悟達を応援しに来たようだ。
 妹のヨッチも元気に応援してくれているようなので、誘拐の後遺症などはなさそうで安心した。


「さあ! 言葉で何を言っても仕方が無いでしょう! ここから先はバトルで語って頂きましょう!」


 お、どうやら始まるようだな。
 でも……。
 そう思い目の前にいるミラニを見据える。
 まるで歴戦の強者(つわもの)のような雰囲気を醸(かも)し出している。
 変な気負いなども無く、全身に魔力が充満しているのが分かる。
 準備は万端(ばんたん)だということだ。


 どうやら、前回闘った時とは比べるべくもない。
 こりゃ、気を引き締めてやらなきゃな。
 ミラニはそんな闘悟の視線を受け止めず、目を閉じて精神を集中していた。


(今日、私は強くなれたのか……本当の意味で分かる)


 ミラニも以前の闘悟との模擬戦を思い出していた。


(あの時は、あっさり負けた。たとえあの時、全力を出していたとしても敵わなかっただろう。だが今日は……正真正銘、全力の私を奴に見せる)


 以前闘った時は、確かにそれなりの実力は出していたが、魔法も下級のもので、剣術も本気を出してはいなかった。
 だがその時の全力でも、闘悟には傷一つつけられないだろうと判断した。
 その判断は間違ってはいないだろう。
 そして……………………恐らく今日も勝てない。
 自分が成長しているように、闘悟もまた成長している。
 差は少しは縮まっているかもしれないが、もともとの差が大き過ぎる。


(勝てない……だがそれでも、私は勝つつもりで挑む。それが我が師の教えでもある)


 相手に勝つのではなく、自分に勝つ。
 それがミラニの根本にあるものだ。


(だから、全力で向かう!)


 瞬間目を見開き闘悟を睨む。
 その視線に気づき、同様に視線を合わせる。
 魔力が待ちきれないといった感じで、空に立ち上っていく。
 いいぜ、見せてもらうよミラニ!
 闘悟もまたミラニの全力に応えようと決心する。


「いいですか? 本戦第四回戦! 
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