第百十八話 最高の再戦になりそうだな
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら少し困るぞ?
「何と言っても、今大会一押しの注目選手同士の対決です! 私も手に汗握ってます!」
いや、知らんがな。
モアの感想は正直どうでも良かった。
隣にいるフレンシアも、目をキラキラさせて好奇心溢れる瞳を闘悟に向けている。
毎回興味深い試合をする闘悟の闘いを、その両眼に焼き付けておこうとしているのだろう。
今度もまた、とてもそそられる試合をするだろうと確信しているに違いない。
ふと観客席の方を見ると、カイバ親子の姿も見えた。
向こうもこちらの視線に気づいたようで手を振ってきた。
どうやら闘悟達を応援しに来たようだ。
妹のヨッチも元気に応援してくれているようなので、誘拐の後遺症などはなさそうで安心した。
「さあ! 言葉で何を言っても仕方が無いでしょう! ここから先はバトルで語って頂きましょう!」
お、どうやら始まるようだな。
でも……。
そう思い目の前にいるミラニを見据える。
まるで歴戦の強者(つわもの)のような雰囲気を醸(かも)し出している。
変な気負いなども無く、全身に魔力が充満しているのが分かる。
準備は万端(ばんたん)だということだ。
どうやら、前回闘った時とは比べるべくもない。
こりゃ、気を引き締めてやらなきゃな。
ミラニはそんな闘悟の視線を受け止めず、目を閉じて精神を集中していた。
(今日、私は強くなれたのか……本当の意味で分かる)
ミラニも以前の闘悟との模擬戦を思い出していた。
(あの時は、あっさり負けた。たとえあの時、全力を出していたとしても敵わなかっただろう。だが今日は……正真正銘、全力の私を奴に見せる)
以前闘った時は、確かにそれなりの実力は出していたが、魔法も下級のもので、剣術も本気を出してはいなかった。
だがその時の全力でも、闘悟には傷一つつけられないだろうと判断した。
その判断は間違ってはいないだろう。
そして……………………恐らく今日も勝てない。
自分が成長しているように、闘悟もまた成長している。
差は少しは縮まっているかもしれないが、もともとの差が大き過ぎる。
(勝てない……だがそれでも、私は勝つつもりで挑む。それが我が師の教えでもある)
相手に勝つのではなく、自分に勝つ。
それがミラニの根本にあるものだ。
(だから、全力で向かう!)
瞬間目を見開き闘悟を睨む。
その視線に気づき、同様に視線を合わせる。
魔力が待ちきれないといった感じで、空に立ち上っていく。
いいぜ、見せてもらうよミラニ!
闘悟もまたミラニの全力に応えようと決心する。
「いいですか? 本戦第四回戦!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ