追想〜緑髪の暗殺者(アサシン)〜
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ALO、風妖精(シルフ)領にて
「へぇ〜クラインさんやっと彼女が出来たんだ。僕もお祝いに参加していいのリーファちゃん?」
「いいに決まってるじゃない。もしかしたらもう二度とリアルじゃ見れないかもしれないのよ?クラインの彼女さん超絶美人なんだから!」
ほーとさして興味も無さそうに返すレコン。話を聞いている間も、すっかり癖になっている大型ナイフを抜き身でくるくると弄ぶ動作をやめなかった。
しびれを切らしたリーファはレコンのパーカーっぽい服のフードをがしっと掴むと
「ほらついてくる!今日ばかりは早めに落ち(ログアウトし)て明日の会議に備えるんだから!」
ずるずると宿屋の方向へ引きずって行った。もう何かしら諦めたのか、引きずられるレコンからは不思議な諦念と哀愁が漏れ出ていた。
ええー明日なのーいきなりだよーとレコンはぼやくがもちろん完全無視である。
そんな漫才(?)が繰り広げられている中、
「あぁ!?いきなり何だてめぇは!?」
火妖精らしき荒くれ者プレイヤーが小柄の風妖精に因縁をつけていた。どうやら、プレイヤーが経営する露天売りの装備品の取り合いで押し問答になっているようだった。少女の方も、目に今にもこぼれそうなくらい涙をためているが一歩も引かない。いつの間にか、野次馬プレイヤーの「斬れー」だの「殺せー」だのと物騒な野次も聞こえてきた。
「もう我慢ならねぇぞ・・・・・・」
ついに切れたのか、腰の片手剣を誇示するかの様にゆっくりと抜く火妖精。リーファがもう我慢ならないと長刀に手をかけた次の瞬間、一迅の疾風が彼女の隣で吹き荒れた。
「ちょっと〜、こんな女の子相手にムキにならなくてもいいんじゃあ無いの?」
いつの間にか背後を取っていたレコン。口調は緩やかだが、火妖精の首筋にはしっかりと彼の大振りな短刀が添えられている。短刀と言うには些か厚く、長すぎる刀身が真昼の太陽を反射してぬるりと粘着質な輝きを放った。
「くっそ、覚えてやがれこの黄緑キノコ野郎!」
あまりにテンプレな捨て台詞に周囲の野次馬の笑いが漏れる。キノコなどと言われてしまったレコンはもちろん面白くないのだが、まぁここは雰囲気に合わせて笑っておいた。
「じゃ、少し時間も喰ったし行こうか」
しゅるるるるる・・・・・・・しゃきん!と手の中で短刀を回転させ腰のホルスターに納めたレコンは、リーファにそう促す。少女の礼に答えて歩を進めようとしたレコンを、慌てて追い掛ける。しかし、そこでふと首をかしげた。
「レコン・・・・・・あんなに強かったっけ?」
ALO、首都アルンにて
「な、何ぃぃぃぃぃ!?クラインに彼女ができたぁぁぁぁぁぁぁ!?」
アルンにある洒落たカフェテラスで、黒の剣士ことキリトは、相棒である
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