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我が剣は愛する者の為に
プロローグ
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「それでさ、此処はどこなの?」

とりあえず、自称神様に聞いてみる。

「ここは、あの世とこの世の境界みたいな所じゃ。」

「それって三途の川みたいなもの?」

「まぁ、少し違うが概ね合っておる。」

「じゃあ、やっぱり俺は・・・・・」

「そうじゃ、お主は子供を庇って死んだのじゃ。」

やっぱり死んだのか。
出来る事なら本当は夢であって欲しかった。
誰でも死ぬのは嫌だよね?
俺の反応を見た麻奈は少し珍しそうな表情を浮かべる。

「珍しいの。
 普通の人間なら現実逃避するか、儂の言葉を全面否定するかのどちらかなのじゃが。」

確かに否定したいけど車に衝突する直前までの記憶があって、それが俺が死んだという事実を突き付けているから否定したくても出来なかった。
俺は車の記憶を思い出して、ある事を思い出す。

「そうだ、子供はどうなった!?」

俺が歩行者道路に突き飛ばした子供の事だ。
一応、大丈夫だと思うがやっぱり気にはなる。

「お主が助けた子供は無事じゃ。
 怪我はしたがちゃんと生きておる。」

それが唯一の救いだった。
死んで子供も救えませんでしたなんてただの無駄死にだ。

「じゃが、お主は自らの命を捨ててまで子供を救ったその行動に儂は感動した。
 じゃからお主に二度目の人生をさずけよう。」

今、何て言った?

「二度目の人生?」

「簡単に言えばお主を生き返らしてやろう。」

と、信じられない事を言い出した。

「そんな事が出来るのか!?」

「可能じゃ。
 儂は神様じゃぞ。
 そのくらいの事は朝飯前じゃ。」

やった!!!!
これで読めなかった本が読める!!!!
こんな時にでも本を気にする俺ェ・・・

「じゃが、お主の世界で生き返る事はできぬ。」

俺ははしゃいでいるのを見た麻奈は気難しそうな顔をして言う。

「どうしてだ?」

さっきまで有頂天まで上がっていた気分が一気に下がった。

「これは神様の法律みたいな物でな、死んだ人間を生き返すのは法律に反するのじゃ。」

申し訳なさそうに麻奈は言った。

「でも、生き返してくれるって言ったじゃないか。」

「簡単に言う、と言ったじゃろ。
 正確にはお主を赤子からやり直す事ができると言ったのじゃ。」

「じゃあ、俺はもう一度赤ちゃんになるって事?」

「そうじゃ。
 じゃが安心せい。
 記憶や知識は引き継がれるようにはしておく。
 つまり外見はお主では無くなるが中身はお主のままという事じゃ。」

喜んでいいのかよく分からない配慮だな。
でも、生き返るのだから贅沢は言えないな。
俺は麻奈にどの世界に生き返る事ができるのか、聞こうとした時だった。

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