プロローグ
[2/6]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「くっそ〜、まだ読んでない本がたくさんあるのに。」
死んだかもしれないのにいまだに本の事を考えてしまう俺。
ホント、本の虫だね。
けど、俺が死んだのだとしたら此処は・・・・
「此処が天国か?」
でも、俺が持つ天国のイメージは羽が背中にある人が暖かく迎えに来る・・・・そんなイメージなのだが。
「こんな真っ白な世界を天国とは言えないな。」
かと言って地獄だとも言い切れない。
俺的だが、地獄はもっとこう、鬼やら何やらがいるイメージなのだがそれが全くいない。
もしかしたら今から天国か地獄どちらかに決まるのか?
できれば、天国がいいな。
地獄に行くほどの悪い事はしていないぞ・・・・・・・・・・多分。
「此処は、天国でもなければ地獄でもない。」
ふと、声が聞こえた。
しかし、まわりを見ても俺以外誰もいない。
「気のせいか?
けど、確かに聞こえたはずだけど・・・」
と思った瞬間だった。
「気のせいではない。」
突然、俺の後ろから声が聞こえた。
「うわぁぁぁぁ!!!!!」
俺は咄嗟に後ろを振り向きながら距離をとった。
「何じゃ、女子のみたいな悲鳴を叫びよって。」
いや、突然後ろから話かけられたら誰だって驚く。
後ろを振り返るとそこには女の子が立っていた。
巫女の服を着て歳は同い年に見える。
髪は緑色でツインテールのような髪型だ。
手には二本の木が絡まった杖を持っている。
「此処はお主の思っているような場所ではない。」
何の脈絡もなく、こう言いだした。
「その前にあんた誰?」
「わしの名前は麻奈じゃ。」
「俺の名前は・・・」
「お主の名前は知っておる。藤島縁じゃろ。」
まだ、名乗っていないのに俺の名前を言い当てやがった。
俺はさらにこの麻奈という女性に警戒を強める。
「なんで知ってるの?
どこかで会ったけ?」
正直に言うと、見た限り一回でも会えば印象に残りそうなくらいかわいかった。
俺が警戒しているのが分かったのか、小さく笑みを浮かべて言う。
「儂とお主は一度も会ってはおらぬから、警戒するのも無理はない。
何故、お主の名前を知っているのか教えよう。
儂は神様だからの、お主の事は知っておる。」
今、聞き逃せない事を言ったぞ。
「神様?」
「そうじゃ、そして死んだお主を此処に連れて来たのはこのわしじゃ。」
「・・・・・・」
俺の予想を遥かに超える答えが返ってきて、言葉を失う。
普段の俺ならこんな事を言っている人はどこかの精神病院に確実に連れて行く。
しかし、俺は死んだかもしれないこの状況なら神様が出てきても不思議じゃない。
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ