強き人
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
ダールの宿屋に部屋を取り、各自荷物を割り当てられた部屋に置いて併設する食堂へと集まる。
一通り注文を済ませ、食事が来るのを待つ間に、ハツキが泣きそうな声で絞り出す様に囁く。
「私……もっと強くなりたいです……私……あんな馬鹿には負けないと思ってました……でも…私の実力じゃ…………」
俯くハツキに視線が集まる。
「リュカさん!私もっと強くなりたいんです!だから私を鍛えてくれませんか!?…女として見てくれなくていいです……私…リュカさんの愛人をやめます……だから…お願いします…一人の武闘家として、私を鍛えてください!」
愛するリュカへの思いを断って、己の強さを求めるハツキ…
俯き弱々しい呟きも、終わりには決意に満ちた力強い口調へと変化し、瞳に強固な輝きを宿してリュカを見つめている。
そんなリュカへの思いを込めたハツキの言葉を聞き、一気に視線がリュカへと向けられ、彼の答えを待ち侘びる。
「………ハツキ………君は弱くないよ。思っている程、弱い存在ではないよ。ただ……」
何時もの優しい口調で『ただ…』と付け加え、瞳を閉じて思い更けるリュカ。
『ただ…』何であるのか、皆が待ち続ける。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ