暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
黒と白の剣劇
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

基本的にはステップ回避をするしかないのだが・・・キリトは事もなげに防いでみせた。
ここまで完璧に弾かれたことに驚きつつも、やはりキリトなら、と期待通りの動きに少しだけ闘争心がざわめく。

危なげなくパリィを行ったキリトが振るった凄まじい速度の直剣がアスカの体に迫る。

ステップで回避しつつ、適宜剣先で軌道を逸らして体に当たらないようにする。
アスカの細剣では、重く、威力の高いキリトの直剣をソードスキル無しで弾き返すのは難しい。

4回連続でステップ回避すると、キリトの体制がわずかばかり崩れた。
間隙を見逃さず、アスカはすかさずソードスキルを発動。
避ける暇がないと判断したのだろう。
応えるように、キリトも刀身に水色のライトエフェクトを光らす。

「はああっ!!」
「せああっ!!」

細剣カテゴリソードスキル4連撃〈カダラプル・ペイン〉と、片手剣カテゴリソードスキル4連撃〈ホリゾンタル・スクエア〉が真っ向から衝突した。
凄まじいエフェクト光が迸り、お互いにノックバック。
靴底で床を滑りながら、10メートル近く後退した。

お互いに被ダメージはなし。仕切り直しだ。
観客もいつの間にか無言になっていたが、そのことを聴覚が認識するより先に、アスカは再度距離を詰めるべく走り出した。
この時すでにアスカの胸中は好敵手と剣を交える喜びだけで満たされていた。


戦闘は10分にも及んだ。
いつしか、アスカもこの勝負を楽しんでいた。
お互いの剣尖の応酬に、キリトだけでなくアスカも笑みを浮かべていた。
さすがに全ての攻撃を完全回避し続けるのは無理で、不可避的削りダメージで両者のHPは少しずつ幅を縮める。
今までデュエルを何度かしたことがあったが、ここまで長く、互角の勝負を行ったのは初めてだ。

観客が固唾を呑んで見守る中、しかし決着の時はあっさりと、予想外な展開で訪れた。

両者のHPが4割と少し削られ、一発でも攻撃を与えたら終わる状況。
至近距離でお互いがお互いの挙動に集中力の限りを尽くして見極めていた、その時。

「ふっ・・・・・・!!」

ブン! と、キリトの左手が柄を握り込んだ形で霞むような速度でアスカへと繰り出された。

キリトは片手剣士だ。右手で得物を持っている以上、左手では〈体術スキル〉の技しか使えない。剣を振り下ろしてくることなんて不可能だ。
アスカがそんなことを冷静に判断したのは、左手の動きに反応して細剣を振った後だった。
あまりに真に迫った演技に、体が勝手に反応してしまった。
ハイレベルな戦いにおいて致命的な隙。
無論、それを誘ったキリトが見逃すはずがない。

無防備なアスカの体をキリトの剣が一閃した。

ウィナー表示がふたりの中間地点に表示されると同時に、観客
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ