アインクラッド編
黒と白の剣劇
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人としては不本意だが)、〈閃光〉、〈狂戦士〉、〈血盟騎士団副団長〉の貫禄も加わっている。
誰もが、アスカに勝てる自信がないのだ。
――――1人を除いて。
「じゃあ、俺がやろうかな」
いつ何時通りの不敵な笑みを浮かべて歩み出たのは〈黒の剣士〉ことキリト。
ソロプレイヤー側もキリトの強さを十分すぎるほど理解しているのだろう。
任せた、とでも言わんばかりの視線を送っている。
アスカも、キリトが出てくることを半ば予想していた。
「いいのか?」
「もちろん。これが一番手っ取り早いと思ってたところだ」
ニヤリ、と片頬をつり上げるキリト。
負ける、なんて微塵も思ってなさそうだ。
「場所はどうする?」
「ここでいいだろ。移動する時間がもったいない」
「分かった」
だが、アスカとて負ける気など無い。
視線を交え、2人は装備点検のため一度背を向け合った。
――かくして、〈閃光〉VS〈黒の剣士〉のデュエルが決定した。
お互いに装備チェックを行うために10分ほど時間を取った後、すぐにデュエルを始めることにした。
あまり時間を取られたくない、というのは建前で、多くのプレイヤーがこの2人の戦闘を早く見たいのだ。
攻略組同士のデュエル、更に言えば、攻略組においてもトップクラスの2人の戦闘だ。
興味のない方がおかしい。
アスカが細剣を腰に装備している間に広場中央を取り巻くプレイヤー数は明らかに増えていた。
どうやら、情報が広まったらしく、最前線に観光目的でやって来たプレイヤーまで見に来ている始末だ。
何人かが記録結晶を構えているのが確認できる。
はあ、と溜息を付きながらも、アスカは広場中央まで足を進めた。
反対側ではキリトが装備を整えながら、心配そうに声を掛けてきている〈月夜の黒猫団〉の面々に大丈夫、と言いそうな顔で受け答えしている。
結局、第40層ボス戦後、キリトとサチの間にあった溝はすっかりと消え去り、元の良好な関係に戻ったらしい。と言っても、アスカからすれば元から仲の良い友達にしか見えなかったのだが。
キリトはソロプレイヤーとして活動し続けることを選んだ。
理由までは聞いていないが、〈月夜の黒猫団〉の面々もあっさりと承諾していることから、きっとアスカの知らぬ事情が関係しているのだろう。
それを聞き出そうなどとは思っていない。
――まあ、『ひとりで戦う』なんて格好良いことを言っていたが、サチの料理ってNPCレストランの百倍美味いよな、と言って、2日に1回は夕飯に誘われてご馳走になりに行って、そのままの流れで宿代が浮くからと、2日に1回はサチの部屋で寝泊まりし、そのままの勢いで、パーティー組んだ方が戦闘の効率が良いからと、2日に1回は一緒にマッピングを
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