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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
黒と白の剣劇
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員ヒートアップしている状況ではさすがのアスカでも鎮めるのは難しい。
それに、どちらの主張も間違っていない。


この層のボスは前述されている通り、高火力型。
第40層のボスの真逆。どちらかと言えば、26層のボスと似ている。

大規模ギルド側の主張は、

“相手は高火力型。一撃でもくらえば危険なので、万全を期すためにもタンクプレイヤーを大量に配置して、長期戦で確実に倒すべきだ”

と、いうもの。

対して、ソロプレイヤーや小規模ギルド側の主張は、

“相手は防御力、体力共に平均より下。下手に攻撃に耐えることを考えるより、集中攻撃で短期決戦に望むべきだ”

と、いうものだ。

リスクだけを考慮すれば・・・・・・正直、五分五分である。
どちらにもある程度のリスクはあるが、ボス戦なんてリスク無しに行えるはずもない。
じゃあ、どちらか適当に選べば良い、なんて解決策がありえないのは、アスカの眼前の光景を見ていれば誰でも分かる。

つまり、お互いに互いの利益を欲しているのだ。

大規模ギルド側は大勢のタンクプレイヤーを敷くことで、自分のギルドの多くの団員に経験値を与えることができ、且つ、人数が多いおかげで、ラストアタックボーナスを狙える可能性が高まる。

ソロプレイヤーや小規模ギルド側は、タンクプレイヤーが少ないので、短期決戦でダメージディーラー中心に経験値が偏るようにしたい。ついでに、自分たちの攻撃回数が増えるのだから、ラストアタックボーナスの確率も高まる。

どちらの意見も間違っていないので、どちらかが相手に譲るしかない。
が、そんな紳士的行動が取れているのなら、10分前には会議が終了している。
そもそも、ネットゲーマーに紳士的態度など必要ない。

「団長、どうしますか?」

アスカが隣に立つヒースクリフに訊ねると、右手を顎に添えて答える。

「ふむ・・・これ以上話し合っても進展はなさそうだな。・・・仕方ない、強引な手だが、デュエルで決めるくらいしか方法が残っていないだろう」

ヒースクリフの声は決して大きくはなかったが、アインクラッド最強の剣士が放つプレッシャーがなせる技だろう。気がつけば全員が静聴していた。
ヒースクリフに代わりアスカが声を張る。

「それでいいですか?」

どこからも文句はでなかった。
誰もが、話し合いで解決できないことをこの20分間の論争で学んだらしい。

「それでは、こちらからは俺が出ます。団長、良いですか?」
「うむ。任せる」

〈聖龍連合〉の方から抗議の声は出なかった。アスカに一任してくれるらしい。
アスカが一歩前に出ると、反対側のプレイヤー達が後退りした。

アスカは攻略組においてもトップクラスのレベルを保持している。
そこに(本
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