第68話
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はその削板の周りで旗を掲げる。
二人が壇上に上がると、選手宣誓が始まる。
「「選手宣誓っ!!」」
「俺たち!!」
「私たちは」
「「スポーツマンシップにのっとって本年の大覇星祭に臨みっ」」
「「若人の夢と熱い血潮を力に換えて」」
何事もなく選手宣誓が終わると誰もが思っていた。
だが。
「消える事のない絆を・・・・絆を・・・あーなんだっけな。
ま、いっか。
消える事のない絆とかのいろいろは漲る根性でどうにかして!」
削板のアドリブが入った瞬間、教師達は嫌な予感がした。
もちろん、麻生も感じ取っている。
「日頃の鍛練と根性の成果を十分に発揮しっ!」
「日頃学んだ事の成果を発揮し・・・・」
「その雄姿と根性を性根の腐ったやつらに見せつけてっ!!」
「己の成長した姿を見せる事で父兄への感謝を表し・・・」
徐々に操祈の声も小さくなっていき、逆に削板の声が大きくなっていく。
「この大会が最高に根性の入った思い出になるよう、あらゆる困難障害艱難辛苦七転び八起きが立ちはだかろうとも!!」
すると、削板の背後に赤青黄色のカラフルな煙が集まっていく。
「全て根性で乗り切る事を誓うぜっ!!!」
削板が右手を振り上げた瞬間、削板の背後が爆発を起きた。
当然、後ろにいた生徒達は爆発の勢いで吹き飛んでしまった。
ある男以外は。
土煙が晴れるとそこに一本だけ旗を掲げている生徒が一人いた。
言わずもがな麻生恭介である。
削板の能力は不明だが、それを防ぐくらい麻生にとってどうという事はない。
はぁ〜、と大きなため息を吐きながら麻生は依然と旗を掲げている。
一応、カメラも回っていて、この会場には麻生の両親もいるはずだ。
イライラ、が結構来ている麻生だが下手な行動をする事はできない。
開会式も終わったのかどうなのか分からないこの状況で麻生ができる事といえば、ただ自分の高校の旗を掲げるくらいしかできない。
削板が後ろを見るとただ一人だけ立っている麻生を見てにっこり、と笑みを浮かべて壇上から降りて麻生に近づいてくる。
何かしてくるのか?、と警戒する麻生に削板はこう言った。
「お前、すげぇ根性あるな!
俺の名前は削板軍覇!
お前は?」
「・・・・・・・麻生恭介。」
答えるつもりはなかったが、削板の予想外の発言に戸惑いながらも答えてしまう。
削板は恭介、恭介、と呟きながら麻生の肩をバシバシ!、と強く叩く。
「恭介だな。
覚えたぜ、その名前。
なぁ、これから根性について」
削板が何かを言おうとしたが、これで開会式を終了します、というアナウンスが流れる。
それを聞いた麻生は削板の言葉を聞かずに旗を持って、立ち去って行く。
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