第68話
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静める。
「お、落ち着け、落ち着くんだ、麻生恭介!!」
「そうだ、小萌先生は悪くない!!」
「あんな子供のような笑み、実際にはもはや子供だが、お前の為を思っての事なんだから怒りを鎮めるんだ!!」
本当なら彼ら生徒達も前日の夜で騒ぎ過ぎたせいで、一睡もしていないというグロッキーな状態だが、ヤバい雰囲気を出す麻生を見たらそうも言っていられなくなった。
生徒達の説得が効いたのか、小さくため息を吐く。
「どうせ、俺に拒否権はないんでしょう?」
「はいですー。」
舌打ちをして、選手宣誓の集合場所に向かう。
そして、今に至る。
自分の学校の旗を持ちながらも麻生は何度目になるか分からないため息を吐いた。
「そんなにため息を吐いていると幸せが逃げちゃうぞぉ。」
聞きなれた声が聞こえたと思い、後ろを振り向こうとしたが目の上から何かに覆われ、背中には柔らかい感触を感じた。
「だれ〜だ?」
「・・・・・操祈だろ。」
「大当たり♪」
後ろにいたのは食蜂操祈。
麻生の両目を覆った両手を首の位置まで下げて、後ろから抱きつくような状態になっている。
周りの男子生徒からは殺意のような視線を感じたが麻生は無視する。
「どうしてお前が此処にいるんだ?」
「私は今回の選手宣誓をする超能力者として呼ばれたよ。」
「意外だな。
お前はこういった事はしないと思っていたんだが。」
「最初はやる気がなかったんだけどぉ、ちょっと上の人とお話をしてする事にしたの♪」
操祈は自分の身体を麻生に押し付ける。
柔らかい感触が背中に強く感じる。
一般男児なら興奮するかもしれないが、何度も言うように麻生は普通ではない。
「暑いからさっさと離れろ。」
麻生がそう言うと渋々といった感じで麻生の背中から離れる。
すると、運営委員が選手宣誓の準備をするので整列するように、と指示が聞こえた。
操祈はまた後で♪、と言って自分の持ち場に戻る。
少ししてから、列が動き始める。
ドーム状のスタジアムの観客席には満席だろうか見渡す限り人で埋め尽くされていた。
テレビカメラも何台も設置されていて、麻生はそれだけ世間が注目している事を再認識する。
整列し終ると、二人の男女があらかじめ置いてある壇上の上に上がっていく。
一人は食蜂操祈。
もう一人は削板軍覇。
彼も超能力者で順位は第七位。
「原石」の一人でもあり、世界最大の「原石」であると言われている。
ひどく繊細かつ複雑で、それ故に研究者が手を出すこともできなかったという。
どういう原理で何が起こっているか全然わかっていないため、そもそも超能力者に分類していいのかさえ本来は不明とまで言われている。
麻生
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