第百十七話 強えな、シャオニの対戦相手
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「何が起こったのでしょうか?」
その様子を見ていたクィルが、闘悟に問う。
「斬ったんだよ」
「え? き、斬った?」
「ああ」
だが闘悟の言ったことに対して首を傾げる。
その行動も無理は無かった。
斬ったと言っても、それは凄まじい速さでだ。
戦闘経験者でも、今の動きを見切れる者は少ないだろう。
その証拠にシャオニすら捉えられていなかった。
クィルが確認できたわけがなかった。
ステリアも眉を寄せてこちらを見ていたので、彼女も見えていなかったのかもしれない。
「見えたか?」
闘悟はミラニに対しても聞いてみる。
「ああ、かなりの速さだ」
ミラニでさえ認めるほどの速さ。
「とにかく、あのレリーズって奴は、かなりのやり手ってわけだな」
それに気になることもある。
シャオニの偽物達が全て倒されたが、どうして本物を見分けることができたのか気になった。
「何で私が本物だって分かったの?」
シャオニもそのことが気になったのか質問する。
「視えるからさ」
それだけサラッと答える。
「あ、そっかぁ! そういやレリーズちゃんてば、魔力視認ができたんだっけ? 忘れてたなぁ〜」
「それはともかく、もう終わりか?」
「ううん、まだだよん!」
今度は空高く跳び上がる。
その行動に観客達から歓声が轟く。
シャオニは『髪雨(ヘアーズレイン)』で攻撃するつもりのようだ。
死角無しの攻撃なので、前回の試合を見ていた皆が興奮するのも仕方が無い。
普通なら、それを止めるためにシャオニのように跳び上がり防ごうとするはずなのだが、レリーズは不思議なことに黙って彼女を見上げている。
動かない彼女を見て、ムッとなる。
「もう〜後悔しちゃうんだからぁ!」
体を回転させて、『髪雨(ヘアーズレイン)』を発動させる。
無数の髪の毛がレリーズを襲う。
だが未だに彼女は動かない。
プスッ! プスプスプスプスプスッ!!!
舞台全体に髪の雨が降り注ぐ。
その場にいたら間違いなくサボテン化してしまうだろう。
「どうだぁ!」
空中でシャオニは階下を見下ろし叫ぶ。
だが目に入った光景に疑ってしまう。
「終わりか?」
表情を崩さず、平坦に声を出す。
「おおおっと! あれは!?」
モアの声が闘武場に響く。
彼女だけではなく、ほとんどの者がレリーズを見て、いや、性格には彼女の周囲を見て驚いている。
そう、彼女の周囲に、まるで彼女を守るように覆っている白銀の物体を見て
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