第67話
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常盤台中学というのは、名前がリストに載っていませんね。
正式なパンフレットに紹介分が全くないという事は、もしかして一般公開されていないのでは?」
「うわっ!ホントですか。
じゃあ美琴のヤツはどこにいるのよーっ!
せっかく大学に休学届け出してここまで来たっていうのに!」
みこと、というのは妹の名前だろうか?と刀夜はガイドブックを読みながら適当に考えていたが、不意に女性がズズイと接近してくると、刀夜に肩をぶつけるように、彼の広げているページに覗き込む。
「と、と、と、とき、とき・・・うわっ!ホントにないよギャーどうしよう!!」
特に待ち合わせ場所を決めていなかったのか女性は切羽詰まった叫びを上げる。
無防備な彼女のほっぺが、刀夜の無精ヒゲの生えた頬とぶつかりそうになった。
女性の柔らかい髪の毛がわずかに刀夜の耳をくすぐる。
その柔らかい髪から、ほのかに甘い匂いがした。
刀夜が慌てて顔を逸らすと、詩菜がものすごい良い笑顔をしていた。
「あらあら、刀夜さん。
またですか?」
「か、母さん?ま、またとは何かな?」
「もう、刀夜さんったら。
道端で女性とぶつかってお知り合いになり、その後の無自覚な言動で良い雰囲気になるだなんて。
これで何度目かしら。
数える方が馬鹿らしいのかしら。
あらあら、あらいやだ。
そんなに私を怒らせて、刀夜さんったらマゾなのかしら。」
そんな詩菜の表情を見て顔を引きつる刀夜。
対する女性は詩菜の変化など気づかずに刀夜の腕をぐいぐい引っ張っている。
「ねぇ、運営委員のテントとかってどこにあるか分かります?」
「あらあらまぁまぁ。」
さらに良い笑顔になっていく。
「母さんこわーっ!
だ、だけど、だけど母さんの軽い嫉妬もちょっと可愛らしいここはどう動くべきか!?」
刀夜はどうやって現状を打破すべきか悩んでいた所だった。
トントン、と刀夜の肩を誰かが叩いた。
刀夜は後ろを振り向くと、そこに男が立っていた。
身長は刀夜と変わらないが雰囲気が全く刀夜と違った。
服装は白のワイシャツに黒いネクタイをしている。
ジーンズは茶色のパンツを履いていて、刀夜の隣にいる女性と良く似た服装だ。
髪は黒で顔もそこそこイケメンで服装と雰囲気が上手い事噛み合っている。
「常盤台は学園都市独自の技術が使われていますので、一般公開されていません。」
「やっぱりか〜どうしよう・・・」
「心配しなくてもその娘さんが出る競技で待ち合わせをすれば良いのでは?」
男がそう言うと女性はなるほど、と頷いた。
「竜也さん、ここにいたんですか。
もう一人にしないでください、ただでさえ此処は広いのですから。」
男より少し後
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