第百十五話 ド、ドベなのか……
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なります!」
確かに、これほど実力が拮抗(きっこう)した相手と闘うとしたら、一日で連戦は正直辛いものがあるだろう。
たとえ一日でも体を休められるなら、ありがたいことだろう。
「説明は以上です! それではここで大会主催者であるギルバニア国王様に一言頂きましょう!」
モアがそう促すと、ギルバニアが皆に顔を見せる。
「うむ! これまで最高な試合を感謝する! そしてこの本戦、ここにいる誰もが楽しみにしてる! せっかくだ、思う存分闘って悔いのないよう是非大会を盛り上げてくれ! 以上だ!」
観客達から拍手と歓声が響く。
「それではフレンシア様からも是非お願いします!」
小さく咳ばらいをしたフレンシアは微笑する。
「素晴らしい試合でした。ですが本番はこれからです。皆さん、優勝を掴むためにも全力で臨んで下さい」
一際大きな拍手と歓声が聞こえてくる。
「ありがとうございました! それでは皆さん! 明日に向けて英気(えいき)を養って下さい!」
「まさかミーちゃんとトーちゃんが初戦でぶつかるなんてねぇ」
今日も皆で会食をしている。
その最中、やはりその話題が、皆の興味を一番惹いた。
楽しそうに破顔し、ニアは闘悟とミラニを見つめる。
「ねえねえ、意気込みは? 意気込みは?」
「は、はっ! 私はその、全力で持って臨む所存であります!」
「む〜固いよミーちゃん! 公の場でもないんだし、気楽にして!」
頬を膨らませて、ミラニの態度を改める。
「は……はい。ですが……その……」
ミラニが口籠(くちごも)るのも仕方無い。
幾ら公の場ではないとはいえ、ここには他国の王族であるステリア達や、グレイハーツ貴族のヒナ達もいるのだ。
軽はずみな言動は慎まなければならないのが普通だ。
顔を俯かせて恐縮してるミラニを見て、「可愛い!」と言ってさらに縮こませるニアがいる。
そんな様子を見てミラニの気持ちを察してか、闘悟はつい苦笑する。
彼もどちらかというとニアの接し方が苦手なタイプなので、ミラニの気持ちが分かるのだ。
だがそこで、自分が笑っているところをミラニに見られ、厳しい視線をぶつけられたので、咄嗟(とっさ)に目を逸らした。
「あ、あのトーゴ様?」
「何だクィル?」
「その、やはり闘うのでしょうか? その……ミラニと……」
クィルは不安そうな表情で言う。
彼女の言いたいことは何となく分かる。
恐らく自分と親しい闘悟とミラニが闘うところを見たくは無いのだろう。
以前、確かに模擬戦として闘ったところを見たことがあるが、今度は模擬戦などではない
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