追想〜灰塵剣の気配り〜
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ALO、猫妖精(ケットシー)領にて
「何!?クラインに彼女が出来ただって!?」
長い銀髪を流した長身の青年、シュピーゲルは驚愕に目を見開いた。
しかしそれも無理は無いだろう。彼女が欲しい彼女が欲しいとぼやき、ついにはNPCから連絡先を受け取るという荒業まで披露してみせた彼である。正直、悪い女にでも騙されたか!?と真剣に心配したシュピーゲルだが
「いえ、話によると、お相手はリューナさんらしいのよ?これ、リアルの彼女」
GGOでは互いに『本当の命』を預けあって戦った相棒であり、同時に恋人でもあるシノンがみせてくれた画像には、少し髪の長い青年と、長髪の女性が映っていた。どちらも美男、美女と表現出来る顔立ちだ。
「えっと、これがクライン?あのもういいんじゃないかってくらい男らしいあのクライン?」
「そうよ、私も最初見た時はびっくりしたけど、こんなにイケメンでも全身から滲み出る残念さ。クライン以外に出せないわ」
さらっと酷い事を言いつつ、シノンはずずいとその後に続く文章をシュピーゲルに見せてきた。差出人はリズベットのようだ。大雑把に読んだところ内容は
『クラインに彼女が出来た事を記念する祝賀会と、どうすれば彼が彼女と長続きするか考える会議を開催します!このメールが送られた人は、必ず集合出来る日を私リズベットに返信しておく事!それを参考に日程を作ります、決定した日に必ずダイシー・カフェに集合すること! リズベット』
との事らしい。どちらかと言えばぼんやりしているシノンの水色の瞳が、今は好奇心でキラキラと輝いている。それに押されて
「分かった、分かったよ行くよ!じゃあこれからどうするの?」
「もちろん火妖精領まで飛んでクラインを拷問・・・・・・いや尋問して詳しい事情を聞くわ。・・・・・・と言う訳で、火妖精領までシュピーゲルの飛竜(ワイバーン)で連れて行って欲しいんだけど・・・・・・だめ?」
「任せておいてよ!どこへでも連れてくさ!」
若干利用されている感が否めないが、可愛いから良いか、と気にしないシュピーゲルであった。
後にこの会話が原因で二人は『猫妖精バカップルランキング第一位』に輝く事になるのだが、それは別の話である。
ALO、鍛冶妖精(レプラコーン)領にて
「へぇ、クラインのやつ、彼女が出来たのか。おめでとうって言っといてくれ。」
素っ気ない返答をしたあと黙々とインゴットを打ち続ける作業を再開したクレイオスにリズベットは不満そうな抗議を返した。
「何よー。ALO始まって以来の大ニュースなのに・・・・・・・反応薄いわね〜」
「るせぇ!こちとらアップデートで新しく出たインゴットの性質覚えるのに大忙しなんだよ!まだ八個中四個しか終わってねぇんだぞ!?」
「何だ
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