第十話 月詠真耶
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1994年 帝都 日本帝国軍 帝国技術廠第壱開発局 第13格納庫
突如、俺の前に現れた女性、月詠真耶少尉。 彼女は俺に用件がある様なのでどういうことなのか聞いてみることにした。
「月詠少尉。自分にどのような用件で来られたのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」
この国に来る前に巌谷少佐に聞いたことを思い出した。 帝国斯衛軍とは、日本帝国軍と違い城内省の管轄であり、将軍家、及び五摂家縁者の守護を主任務とする独立武装組織と教えられた。 いわえるエリート部隊なものであると俺は解釈した。 俺は真っ先に、エリート部隊と聞いてティターンズみたいのを想像したのは内緒だ。
「貴様に話がある。着いて来い」
そういうと月詠少尉は背中を向けて歩いて行った。 整備班の人達が不安そうに見つめてきたが、俺は大丈夫だと言い月詠少尉の後について行った。
誰もいない会議室に連れられ、入れと言われた俺はゆっくりと会議室に入った。 後ろでガチャリという音が聞こえた。恐らく鍵を掛けたのだろうか? そう思い振り向く事にした。
「話とは一体なんでしょうか?自分の事でしょうか、それとも機体のことですか?」
「その両方共だ。貴様自身の事は殿下から概ね聞かされている。護衛する此方としては無視できる人物ではないからな。 その件はまた後で話すとしよう。」
「なるほど、では次は機体の事でしょうか。」
「そうだ。機体性能はともかく塗装の色に関して城内省から黒に塗り直せと苦情が来た」
まあ確かにエピオンのカラーリングはやや黒には近いものの、赤でもあるからな。 苦情が来ないほうがおかしいか。
「確かに城内省から塗り直しの苦情はでたが、殿下と斑鳩閣下、紅蓮大将が反対され現状維持という意見がだされた」
「殿下と斑鳩閣下、紅蓮大将が・・・ですか?」
「そうだ。 言い分としてはだな、如何に赤に近い色だとしても貴様の機体は正式採用機ではなく実験機という認識をされている。そのため塗装ぐらい何色でも構わないと言われた」
なるほど。そういう事なら大丈夫らしい。 俺は少しだけ安心したのも束の間、話には続きがあるらしい。
「だが・・・」
「だが・・・なんでしょうか?」
「城内省はある条件を出してきたのだ」
「条件?それは一体なんです?」
まさか、まさか機体を渡せとか言うんじゃないだろうな!? 例えそうなったとしてもエピオンを動かすことはできない。 理由としては最初に乗った時に行った生体登録もあるが、『イクス』に聞いた話では、一度登録すれば再登録できないようになっているらしい。 登録されている生体情報を削除する場合、同時に機体に関するデータ諸共消える仕組みになっていることを『イクス
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