第二十八章 予測不可能な娘
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「今日の訓練は魔力を限界まで使い切る事だ」
「はい!」
特典だろうな。
機動六課の精鋭は幸運だろう。魔力量を増やす訓練は結構厳しいものなのだが、俺がいることで短期間でそれなりに増やせるからな。
魔力を増やすのは筋力を増やすのと似ている。
使って、回復。
特に、限界近くまで使って全回復すると若干だが、魔力量が上がる。
無茶はできないから二週間に一度のペースで、魔力量の底上げ訓練をしている。
ギンガは初めての事だから訓練内容の詳細を伝えなければいけないだろう。
「ギンガ、この訓練は魔力量の底上げだ。魔力を気にせずに訓練していい」
「はい。でも、緊急の任務があったらどうするんですか?」
あれ?
聞いてないのか。
「それは、俺のレアスキルで魔力を供給して回復できるから問題ない」
「え?! ミウラさんのレアスキルは聞いてますけど、私含めて、5人いますよ? レアスキルについては齟齬があったみたいですが、一体どれだけ魔力量あるんですか?!」
つまりは、魔力供給の齟齬だ。
詳しく述べるなら、俺は電源である。
ギンガ達は電源で電力を回復できる電池だ。
ギンガの勘違いは、電源である俺と繋がり続けて電力を使い続ける事ができるが、電力その物の回復ができないと思っているということだ。
また、ギンガはBランク4人にAランク1人の魔力を完全回復させることが出来る方に驚いているようだ。
それについては、
「それについては、ギンガ・ナカジマ陸曹では知る権限がない……。すまんな」
ハッとした顔で、しかし、綺麗な敬礼で、
「失礼しました。余計な詮索でした」
真面目さを思わせる。
まともだ……!
味方認定をしていいかもしれない。
●
魔力が体内に満たされる独特の感覚は、お風呂に入る気持ち好さに似ていると思う。
初めてのミウラさんからの魔力供給をそう感じた。
悪くは無いわね。
心地よさと力強さが感じられる。
これが感じられる限り私達は、魔法を気にせず使い続ける事が出来るわけね。
「すごいですね……。ミウラさんの戦術、戦略的価値が高いのも頷けます」
「反則技に近いけどね。味方側から考えれば、都合の良い魔力タンクだよ。供給の限界人数は無いけど、流石に一度に沢山の人に魔力供給したら俺が倒れる」
タンクが倒れるね。つまりは、
「魔力タンクがくたんくたんになるわけですね?」
●
ギン姉ぇー!!!
絶対にギャグを言わないって約束したのにぃー!
私の唯一苦手な所だ。
無意識で、ギャグを言うからたちが悪い。
そして、絶対に場が凍るのだ。
●
新人の反応として、ティアナ・ランスターはギンガ・ナカジマのギャグを理解したが、階級が上の為に、何も言わなかっ
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