徒手格闘
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◇
「あの、お兄ちゃん大丈夫なんですか?」
奈美は心配そうに純を見ながら言った。
「まあ大丈夫なんじゃないの?もともと体は丈夫なやつだと思うし。俺の最後に当てたの若干身体をずらして芯をずらしてたし」
優がそう言う。たしかに最後の感触は当たったが少しずらされた感覚があった。やっぱりこいつには何かあるのだろうか?
「しかし、優さんって強いんですね。お兄ちゃんも全盛期だったらおじいちゃんよりも強かったのに」
「いや、こいつがサボりすぎて弱くなってただけだろ」
「まあそれもありますね」
奈美はくすくす笑う。そして純の部屋にまで着き、ベットに寝かせる。その時、ふと横にある箱が目に入った。それはアミュスヒィアが入っていた箱だ。それを見た瞬間、優はどうしてあんな動きが出来るのかがわかった。
(こいつ、何かしらのVRMMOであんな動きをしてたのか……)
数ヶ月前、和人がゲームの中での動きを現実でもやっていたのを見て、そういうのが出来るのを最近知ったが純もしているとは驚いた。
「優さん、そういえば今日の晩御飯どうします?一応買い物してきましたが」
「奈美、敬語はいいって。まあ買ってきたんならそれで作るか。先にキッチンで準備しといて」
「わかり……わかった」
そう言って、奈美は部屋を出て行った。優も部屋を出ようとすると後ろから声をかけられた。
「まてよ」
優は足を止めて言った。
「なんだ、純。何か文句でも言いたいのか?」
「文句を言いたいが、正直言ったらかっこ悪いから言わねえよ」
「だったら、何で呼び止めたんだよ」
「次やったら確実に俺が勝つ。首を洗って待っておけよ」
「その台詞、何かもう一度負けそうなやつの台詞だな」
「うるさい!」
「はっはっはっ」
優は笑ってから言った。
「まあ、どっちにしろ受けてってやるよ。今度は万全な状態でいろよ。それと、飯作るからたまにゃお前も手伝え」
そう言って優は部屋を後にした。
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